EC通販サイトの基本知識と顧客の心をつかむ初回同梱物の設計方法

EC通販事業における基本知識と合わせて初回商品の同梱物に焦点を当てた定義・意味から、実施するにあたっての考え方や設計方法について解説します。

初回同梱物で考えるべきポイントをしっかりと抑えて顧客と企業にとってより良い初回同梱物とは何かを解説します。

EC通販とは何か

EC(Electronic Commerce)とは電子商取引と訳されネット上での商品・サービスの売買の事です

ECサイトと呼ばれているものは電子商取引が可能なサイトの事で身近なものではアマゾンや楽天の事を指します。

ECサイトは2種類あり、自社で取り扱う自社サイト型とアマゾンなどに出店するモール型とに分類されます。

自社サイト型はデザインから維持まで手間と費用がかかりますが独自のサイトで競合他社が少ない点が特徴です。

モール型は手間はかかりませんが費用と手数料は高くなる傾向にあり競合他社が多いという特徴があります。

ネット通販との違い

よく聞くネット通販とECサイトはどう違うのか混乱する方もいるのではないでしょうか。

この2つは全く同じものを言い表しています。

ECサイトはサイトの運営者や製作者が使用する用語で、ネット通販は顧客が使用する単語です。

使用する立場で呼び方が変わるだけなので、イメージとしてネット通販の業界用語としてECサイトという呼び方があるという認識で問題ありません。

EC通販のメリット

EC通販にはどのようなメリットがあるのか解説します。

お店に行かなくても買い物ができる

当たり前ですが店舗での買い物は一度外出してそのお店へ行かなくてはなりません。

そして買った商品は持ち帰る必要があります。

EC通販では店舗に行く手間を省く事ができ、宅配で届くので買った商品を持ち帰るという労力も必要ありません。

スマホ1つあれば済ませられるので、場所・時間に制限がなく自由に買い物ができます。

とくに生活サイクルが夜型の顧客には喜ばれる要素といえます。

購入から決済に手間がかからない

アマゾンや楽天で商品を購入する際に商品の画像や購入ボタンをタップして購入画面に進む機能があります。

これをECカートを呼びこのシステムがあることで顧客が買いたいと思った心理状態のままスムーズに決済を済ませることができます。

決済に手間がかかると「めんどくさいからやっぱりいいや」と離脱率が上がってしまう為手間を省ける決済システムは大きなメリットといえます。

店舗を持たずにビジネスができる

店舗の賃貸、電気代、人件費などを削減しつつビジネスが可能です。

これにより店舗型のビジネスに比べて初期費用や維持コストを低く抑える事ができ、ビジネスを始めるハードルが下がります。

顧客情報をデータして管理できる

顧客から年齢などの基本情報や購入履歴といった情報を得ることができます。

これらの情報を分析する事でリピートを獲得することができます。

店舗型よりもEC通販の方が顧客情報を得る機会が多く顧客分析や業務効率化を図れるCRMやMAといったものが有効に機能します。

EC通販のデメリット

EC通販も良い点ばかりではありません。

ここではEC通販のデメリットも解説します。

商品や店員を直接見る事ができない

ネット上の取引である為顧客が実物に触れる機会はなく商品は画像か動画での紹介となります。

さらに製作者の顔と名前も見えないという点は、時に顧客に対して「このお店を信用して大丈夫だろうか」と警戒心を抱かせることがあります。

このような「顔が見えないことへの不信感や不安」に対してチャットシステムの搭載やネット上だけでなく店舗とも販路が連携されているオムニチャンネルの導入といった顧客と接点を持つ場を設置し対応する必要があります。

商品の付加価値で楽しさや利便性などで差別化が必要

現代は商品の品質は良いのが当たり前となりつつあります。

よって他社よりも高品質な商品を提供するだけでは競争に勝てなくなりました。

商品以外にも一貫したコンセプトに基づいたオリジナリティやユニークさ等の付加価値を与え利便性やブランド力といった魅力も必要になりました。

サイト運営に関する基礎知識は必要

EC通販を行う為にはWEBページを作成するための知識が必要です。

商品情報の入力や撮影に関しても知識と技術が必要なので、EC通販を始めるには最低限の知識をつける必要があります。

販促の為にコストはかかる

初期費用は比較的低く抑える事は可能ですが、自社サイトで始める場合はサイトや商品を顧客に認知してもらう為に一定の広告費はかかります。

モール型で始める場合は他社競合に勝つためにクーポンの発行や割引をする必要がある為販促のためのコストはかかってしまいます。

実店舗より売り上げが安定してくるまで時間がかかる

広告による集客、競合他社との競争により軌道に乗ってくるまでの期間は実店舗より長い傾向にあります。

ネット上でサイトや商品の露出を増やしていくためにSEO戦略や口コミ、SNSのフォロー等コツコツした積み重ねが重要となります。

顧客を獲得するため一定の期間はかかるものと長期的な視野で認識する必要があります。

EC通販でリピートを獲得する為には何が必要か

EC通販の基本知識とメリット・デメリットは理解できたと思います。

ではEC通販で収益を上げる為には何が必要か解説します。

EC通販に限らず現代のビジネスにおいて重要といわれているのはリピーターの獲得です。

市場や顧客のニーズが変化し、ただ高品質な商品が欲しいだけでなくその商品を購入する事でどのようなメリットがあるのかという点が重視されるようになりました。

これにより従来よりも新規顧客の獲得が困難になっています。

よって既存顧客から継続的に商品を購入してもらうことで収益を上げる方法が注目されています。

この概念をCRMといいい、顧客との良好な関係を築く事で顧客に自社商品のファンになってもらい継続的な取引を促すことが期待できます。

その為には顧客情報を分析しその時の顧客状況からニーズにあった商品を紹介する販促が必要となります。

その為の手段としてダイレクトメールよりも商品到着時に同梱されているカタログなどの同梱物が有効です。

同梱物の抑えておきたいポイント

初回同梱物の前にまずは同梱物で抑えるべきポイントを解説します。
同梱物とはEC通販などにおいて商品を梱包している段ボールの中に商品と共に収められている挨拶状や商品カタログ、チラシなどを指します。

EC通販初期から重要視されている同梱物ですが、重要視されている理由として挙げられるのが注文した商品は必ず開封されるので目に触れる可能性が高く、顧客との接点を作りやすいという点です。

また同梱物はメルマガやDMと違い商品が手元に届いたタイミングで接点を持つので顧客の心理状態が非常にポジティブ ( 商品への期待値が高い )な状態で受け取ることができるという点も重要なポイントです。

初回同梱物とは

初回同梱物とは初回に商品が発送される際に同梱されている挨拶状や商品カタログ、チラシなどのことです。

初回同梱物の重要性は何と言っても顧客の手元に初めて商品が届くタイミングで目に入るという点です。

これから始まる顧客との関係性の第一歩であり、顧客の期待感がもっとも高まっている重要なタイミングです。

多くのEC通販事業者が、顧客と長期的に取引を行い収益を上げることを目的としています。

つまりLTV(顧客生涯価値)を向上させる為に同梱物を導入します。

顧客のLTVを最大化する為に同梱物でのコミュニケーション方法はしっかりと考える必要があります。

同梱物が初めて手元に届く初回同梱物のタイミングは、顧客の期待感がもっとも高まっているタイミングですが同時に「買わなければ良かったかも…」という不安と後悔を抱えている状態でもあります。

このような心理状態で顧客の目に入る初回同梱物はリピートに繋げるうえで非常に重要な役割を担います。

初回同梱物で考えるべきポイント

初回同梱物を受け取るタイミングは顧客との関係性の第一歩です。

顧客心理としては「期待感がもっとも高まっている状態」そして「不安と後悔を抱えている状態」というジレンマにあります。

つまり初回同梱物の設計において抑えておきたいポイントとしては、

企業と商品の良さをしっかりと訴求し、継続させる

「良い物が届いた」と感じさせて不安・後悔を安心に変える

この2点を強く意識して設計する必要があります。

企業と商品の良さをしっかりと訴求し、継続させる

EC通販において、需要なのはLTVをいかに最大化するかという点です。
初回同梱物においても初回の顧客との接点をしっかりと作り、末永くお付き合いできる土俵を作ることが重要になります。

では、どのように同梱物の設計で長いお付き合いを可能にするか、そのためにまず行いたいことは自社商品の継続者と非継続者の違いを明らかにすることです。

見るべきデータのイメージは以下になります。

上記のようにデータを比較した際に継続者と非継続者との間でイメージにギャップがあることが分かります。

図1:継続者は「信頼が高く」、非継続者は「機能面が優れているイメージ」
図2:継続者は「価格に見合う価値を評価」、非継続者は「低価格イメージ」

他にも「購入に至ったきっかけ」や「継続者と非継続者の属性」など自社の指標やデータに合わせて多くの項目で比較が必要です。

上記のようにデータを比較し継続者と非継続者とのイメージのギャップを把握します。

継続者が企業・商品に対してどのような印象を持っていて、評価しているポイントはどこなのか?
非継続者が企業・商品に対してどのような印象を持っていて、不満に思っているポイントはどこなのか?

上記を踏まえ、継続者が良いと思っているイメージ、継続に繋がる要素をしっかりと伝えるためのコミュニケーション設計がポイントになります。

「良い物が届いた」と感じさせて不安・後悔を安心に変える

継続者が企業・商品に対して抱く良いイメージと非継続者が抱くイメージのギャップを明らかにし、正しく訴求をすることは継続への第一歩になりますが、同時に届いた商品が少しでも「良い物が届いた」と思わせる演出も必要です。

例えば、商品を梱包する発送箱の装飾をこだわったり挨拶状を他社よりも作りこんだりと「些細な点へのこだわりを演出する」ことで初回キャンペーンを設定している商材でも金額を超える良いイメージを持ってもらうことができます。

同時に、顧客の手元に「商品を大事に届ける」という姿勢が伝わり価値ある商品と思わせることが可能です

価値ある商品が手元に届いた、こだわりのある良い商品が届いた、そのような気持ちを感じさせることで不安・後悔の気持ちを安心に変えることも初回同梱物の重要なポイントとなります。

まとめ

初回同梱物は顧客との関係性の第一歩となるタイミングです。

顧客心理としては「期待感がもっとも高まっている状態」そして「不安と後悔を抱えている状態」というジレンマにあります。

「企業と商品の良さをしっかりと訴求し、継続させる」「良い物が届いたと感じさせて不安・後悔を安心に変える」これらのポイントを抑えて顧客との長い関係性をスタートさせるための設計を行うことが重要です。

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