CRMツールとは?おすすめ製品5つとツールの選び方を紹介

ECを運営されている事業者の方の中には、「もっと売上を上げたい」「リピーターを増やしたい」と考えている方も多くいらっしゃるかと思います。
ECサイトにおいてリピーターの増加や売上増加を促すには、「顧客」をしっかりと分析し、分析結果に基づいた施策を打つのが1番の近道です。ただ、顧客1人1人を手探りで分析していくのはものすごい労力。
そんな時は、「CRMツール」を導入しましょう。CRMツールは今や多くの事業者の方々が導入されているツールです。今回は、CRMツールの概要やメリット・デメリット、おすすめ商品について解説します。
また、記事の最後では、CRMツールの選び方についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
INDEX
CRMツールとは?
CRMツールとは顧客関係管理(こきゃくかんけいかんり、Customer Relationship Management)を支援するツールのことで、顧客満足度や信頼度の向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指すものです。
CRMツールのメリット・デメリット
CRMツールには、多くのメリットが存在しますが、デメリットが無いというわけではありません。「導入した後にミスが発覚した」という事例も少なくないため、導入前にメリット、デメリットを把握した上で検討を進めることが大切です。
CRMツールのメリット
CRMを導入する上でのメリットは、以下のようになっています。
・部署間の情報共有が容易になる
・顧客の満足度を向上できる
・新たな戦略を開拓できる
メリット1つ目は部署間の情報共有が容易になることです。CRMはアクセスするだけで簡単に情報を閲覧できるので、どの部署も共有さえしていれば顧客の属性や顧客の購買履歴、収益について情報を確認できます。
2つ目のメリットは顧客の満足度を向上できることです。顧客の購買履歴や頻度をデータとして見られるので、顧客の求めている物を確認でき、改善点なども分かるので、顧客のニーズに応じた行動を取りやすくなります。
3つ目のメリットは新たな戦略を開拓できることです。顧客全体の購買や収益などの情報をデータで可視化できるので、売上から戦略の作戦を立てることができ収益化アップにつなげることが可能です。
CRMツールのデメリット
CRMの導入する上でのデメリットは、以下のようになっています。
・導入へのコストがかかる
・運用定着に時間がかかる
CRMのデメリットの1つ目は導入のコストがかかることです。CRMは導入したなら毎月費用を支払う必要があり、2,000〜4,000円ほどかかります。ただ、利用者が多いなら、その分金額は増えていき、仮に20人ほどが利用するなら40,000〜80,000円ほどの費用負担となります。 さらにCRMを導入するために機器を揃えるなど準備が必要なら、その分費用が大きくなっていきます。費用負担の大きさを軽減するためにもトライアルなどを利用して、計画を練っておきましょう。
2つ目のデメリットは運用定着に時間がかかることです。マニュアルなどの業務フローなどの準備が必要なので、導入して直ぐに利用することが難しいです。しっかり期間の計算をしておく必要があるでしょう。
CRMとSFA・MAとの違いや関係性について
EC通販の文脈でCRMツールと同じくして頻繁に使用される単語として「SFA」と「MA」というものがあります。これらはEC通販を含めた多くの経営の場面で役に立つという共通点を持ちます。しかし同時に、それぞれが違う特徴を持ち、異なる適性を持つことも経営の場面においては一定の事実です。
つまり、「CRM」、「SFA」、「MA」それぞれが持つ特徴を正しく認識しなければ、最大限の効能の実感は難しいといえます。 実践的な経営の場において、これらの機能を最大限生かし切るために、それぞれが持つ機能的特徴や適性を正しく理解しておきましょう。
SFAとは
SFAは、Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略称です。 SFAの特徴は、主に営業担当者へのアシストを目的としたツールという点にあります。 機能として、営業活動における顧客の属性やリアクションといった要素をデータとして蓄積し、それらを可視化することができるので、営業活動におけるデータベースとしてのアシストが期待できます。
MAツールとは
MAツールは、Marketing Automation(マーケティングオートメーション)ツールの略語です。 MAツールの機能としては、その名の通りマーケティング活動を自動化するというものになります。 具体的には、Webを利用することによって、見込み顧客データを一元的に管理することによるニーズ把握に関するアシストや、メール配信での見込み顧客との継続的なコミュニケーションによる顧客育成といった機能があります。 このように、MAツールは見込み顧客の管理や育成という面での活躍が期待できるツールです。
EC通販におけるCRMツール
EC通販においてのCRMツールですが、B to Bであれば「SFA」の機能までを備えたものを推奨しますが、B to Cであれば「CRM」の機能までで十分事足ります。それは取得データの量の差に違いがあります。
そして、B to CのEC通販においては、「CRM」の定着率がまだまだ低いのが現実です。その要因として、顧客データの収集が思うようにできていないことが考えられます。
通販サイトで何か買い物をするとき顧客情報を入力しますが、近年ではEFO(Entry Form Optimization )の波及からその顧客情報の入力を簡素化する流れが存在しています。
※EFOとは、エントリーフォーム最適化(Entry Form Optimization )の略称で、お問合せフォームやお申込・登録フォームの入力をアシストすることにより、途中離脱を軽減させ、確実に申込を完了してもらう(コンバージョンへ導く)施策。入力のアシストだけではなく入力項目の最適化も図る事ができる。
顧客情報の入力が簡素化されているため、実際に活用できるデータとして、顧客の性別や年齢すらも取得できていない企業が少なくありません。また、ショッピングカートの仕様が顧客の基本的な情報(例えば、メールアドレス、年齢、性別、住所、クレジットカード情報)のみというケースも多く、企業側にとって顧客情報の取得が困難になっています。
一方で「CRM」を戦略的に実行できている企業には、その顧客情報の取得をカスタマイズしている例があります。例えば、妊娠中のサプリメントを販売している企業の「出産予定日」、ギフトショップでの「記念日」がそれにあたります。またコールセンターや、アンケート、座談会で顧客情報を取得するケースもあります。
ただし、それは一例でありません。もしかすると企業によっては、「自社が保有するデータが少ないからCRMを活用できない」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、いくら自社が取得しているデータが少なかったとしても、CRMを活用できないわけではありません。というのも、CRMツールがあれば顧客データを他のデータと掛け合わせて分析することができるからです。
例えば、他のデータとして媒体データが挙げられます。EC通販においてはどの媒体から購入したかで、そのユーザーを大まかに分類・定義することができます。
新聞広告や雑誌からの購入者であれば、WEB広告の購入者と違ったマーケティングアクションを行ったほうが効果も上がる可能性がありますし、広告のクリエイティブによっては顧客の商品期待値が異なってくる場合があります。
このようにCRMツールで他データを活用することにより、コミュニケーション内容を変えることも施策のひとつとして考えられるのです。
EC通販でおススメできるCRMツール5選
ここからはEC通販でおススメできるCRMツールをご紹介していきます。今回は5つのツールを例として挙げていきますので、CRMツールを選ぶ際の検討材料にしていただければ幸いです。それでは1つ目からのご紹介です。
うちでのこづち
うちでのこづちは、株式会社E-grantが提供するCRMツールです。EC通販システムとの自動連携が用意されており、顧客分析から効果検証までの分析機能を備えたツールになっています。また、日本国内のカートシステムとの自動連携が可能になっているため、CRMを即時に利用開始することが可能です。データ管理を行うことにより、お客様へのアプローチ速度が格段に速くなることも魅力の1つと言えるでしょう。
■うちでのこづちの特徴
・直感的に使える優れたUI/UXを採用
・導入から運用まで専任性のサポートチームからのサポートが存在
・導入企業数は700社以上
■料金プラン
月額基本料金29,800円~(顧客数に合わせた従量課金制)
※初期費用はお見積り
■公式サイト
https://www.uchideno-kozuchi.com/
kintone
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するCRMツールです。必要なシステムをノーコードで構築することが可能なため、特別なスキルを必要とせずに自社の業務に合わせたシステムを作ることができます。ECサイトのコンテンツ管理システムや受注管理、在庫管理など、多くの導入事例があります。また、顧客管理やお問い合わせ管理アプリを連携するなど、あらゆる業務に柔軟に対応し、拡張性も合わせ持っています。
■kintoneの特徴
・あらゆる業種に対応し、20,000社以上が導入
・ドラッグドロップでサクッとシステム構築が可能
・kintone導入担当者の93%が非IT部門
■料金プラン
ライトコース 月額780円/1ユーザー
スタンダードコース 月額1,500円/1ユーザー
■公式サイト
https://kintone.cybozu.co.jp/
Synergy!
Synergy!は、シナジーマーケティング株式会社が提供するCRMツールです。集客や顧客情報の統合・一元化、メッセージング、分析機能などを備えている、クラウドベースの国産CRMシステムになります。WEBサイトやSNS広告を利用して集客したいという企業にもおススメでき、CRM活動で得た顧客情報を活用してターゲットに価値ある情報を届けることが可能です。管理画面の使いやすさや機能の充実性、サポート体制が評価され、ITreviewにて受賞されています。
■Synergy!の特徴
・使いやすさを徹底的に考えた画面デザイン
・個人情報を安心して扱える堅牢なセキュリティ性能
・マーケティング課題を解決するソリューションを専門家が提案
■料金プラン
月額基本料金15,000円~(データベース・フォームのみ)
初期費用118,000円
■公式サイト
https://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergy/
カスタマーリングス
カスタマーリングスは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供しているCRMツールです。当ツールは、EC事業者向けのCRMで、顧客データの統合・分析・アクションと、マーケティングに必要なあらゆる機能を兼ね備えています。また、カートシステムやスマホアプリなど、様々なシステムとの連携が可能となっています。例えば、在庫情報とECを連携させることで、リアルタイムで在庫情報を知らせるといった施策も可能です。
■特徴
・多彩な分析機能を標準搭載し、深い顧客分析を即座に開始可能
・分析表だけでなく、1人1人の顧客の動きや詳細な情報を把握
・導入実績は600社を超え、継続率99.1%
■料金プラン
お問い合わせ(お客様のご要望に合わせたプラン)
■公式サイト
https://www.customer-rings.com/
LTV-Lab
LTV-Labは、株式会社コアフォースが提供するCRMツールです。商品ごとのリピート購入やリピート率を確認でき、アパレルや化粧品、健康食品業界まで、あらゆる業界の通販に対応しています。また、的確に顧客のニーズを把握することができるため、アップセルやクロスセルの成約率を高めることが可能です。ステップメールにおいては、無制限にシナリオを作成することができ、顧客分析結果をすぐに販促に繋ぐことができます。
■特徴
・通販特化CRMツールで1300店舗以上で導入実績あり
・カートシステムや基幹システムと連携し、即座に導入可能
・既存顧客育成を目標に開発されたCRMツールで、通販事業を見える化
■料金プラン
月額基本料金30,000円~(顧客管理/顧客分析/メール配信)
初期費用50,000円
■公式サイト
https://ltv-lab.jp/
無料で使えるCRMツールについて
CRMツールの中には、無料で使えるものも存在します。もちろん、有料版に比べると機能は劣ってしまいますが、まずお試しに導入したい方は、無料版から検討するのも選択肢の1つでしょう。また、注意点もお伝えしますので、併せてご確認ください。
おすすめできる無料のCRMツール3選
おすすめできる無料のCRMツールを3つご紹介します。
・Zoho CRM
・HubSpot Sales Hub
・Fullfree(フルフリー)
いずれも無料で利用可能なサービスとなっています。有料プランも存在していますが、無料プランでも十分な機能を兼ね備えていて、CRMツールを試してみたいという方にピッタリでしょう。CRMツール導入の失敗を防ぐという面でも、無料プランや無料トライアルをうまく活用することは大切と言えます。
無料のCRMツールの注意点
今回、無料のCRMの中でも、比較的機能が豊富なものをご紹介させていただきましたが、当然ながら有料プランと比べると、一定の差は存在します。無料プランを使用する前に、有料プランとの昨日の差を把握しておくことをおすすめします。
また、機能が制限されているだけでなく、期間や人数が制限されていることも多いです。無料期間終了後の利用に関しては、料金を支払うことでデータを保持したまま利用継続できるなど、ツールによって対応が異なるため、無料プランを使用する前に確認しておくと良いでしょう。
使用人数や機能が制限されていて、効果的に使用できなかったり、大幅な業務改善ができない場合は、有料版のCRMツールを導入することで、充実した機能やサポートを利用することが可能になります。
EC通販におけるCRMツールの選び方
ここまで、5つのCRMツールと無料で使えるCRMツールをご紹介してきました。ツールの特徴を見てみると、顧客管理や業務の効率化など、導入するメリットが多く存在しています。しかし、ここで注意したいのが、便利な機能がたくさんついているからといって、なんとなくで決めてしまうのは危険という事です。
CRMツールを導入する際は、選び方にいくつかポイントがありますので、ご紹介していきます。
使いたい機能が搭載されているか
1番大切なのは、自社サイトにおいて分析したい項目などが分析できるのかです。EC通販において追うべき指標は限られています。例えば、LTV、F2転換率、一定期間後の残存率などがそれに挙げられます。
そのため、これらの分析ができるツールを選ぶようにしましょう。
使いやすいか
次に重要なことが、CRMツールの使いやすさです。CRMツールを導入しても使いづらくあまり使わなくなるということもありえます。
運用担当者が使いやすいツールかどうかを判断しましょう。CRMツールの多くは「無料デモ」が用意されているため、そちらを使ってみることをおすすめします。
自社ツールとの互換性
CRMツールは、各社共に色々なサービス(カートやフォーム)などと連動しています。自社が入れているツールとの連動性なども見るようにしましょう。
CRMツールの選び方を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
CRMツールの主な機能
CRMツールには、多数の機能が用意されていますが、その中でも代表的な機能をご紹介します。
CRMツールの主な機能①|セグメント別メール配信機能
分析を通じて、顧客のステータスなどに応じてセグメントをし、メール配信などをすることができます。購買データなどを元にフォローアップの自動化などもすることができます。
CRMツールの主な機能②|併売分析機能(バスケット分析)
合わせてどんな商品が売れているかなどを分析することができます。これをすることで、アップセルをすることが可能です。顧客の購入単価に悩んでいる方は、こちらの機能を使うことをおすすめします。
CRMツールの主な機能③|アプローチタイミング分析
顧客の購買周期を分析できる機能です。これを使うことで顧客へリピート促進をすることができます。メール配信機能などと組み合わせて使うことで、さらなる効果を発揮することができます。
CRMツールの主な機能④|アプローチタイミング分析
初回に購入された商品などに合わせて、その顧客の売上やLTV、継続回数などを把握することができます。これをすることで、いくつか商品があるうち、最初にどれを注力して販売するべきなのかが見えやすくなってきます。
CRMツールの主な機能⑤|LTV計測
施策別や商品別、広告別などさまざまな軸でLTV計測を行うことができます。そのため、施策の費用対効果があっているのか? 広告の意味があるのか? などが見える化します。
CRMツールをお探しの方へ
EC通販に必要なCRMツールを探す上で大事な事は、EC通販に特化したCRMツールを選ぶことです。既存顧客を活性化し、LTVを伸ばすために必要な機能や分析項目が用意されたツールを利用することで、導入したその日から分析を行い自社商材の状況を把握することができます。
EC通販に特化したCRMツールとしてオススメなのは、弊社が提供するツール「うちでのこづち」です。
「うちでのこづち」はEC通販に特化したCRMツールとして多くの事業者様に導入頂いております。ツールの提供だけではなく、CRMの構築もお手伝いさせて頂いています。CRMツールをお探しの方は、どうぞご連絡ください。
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