【知らなければ損をする!!】3大定期解約理由ごとの先回り対策

ECサイト運営では、長期的かつ継続的に購入してくれる定期顧客を増やすことが重要となってきています。

これは、売り上げの大部分が定期顧客であり、新規顧客獲得単価は昨今高騰しているためです。

そのため、やっとの思いで獲得した定期顧客の「解約」は何としても防ぎたいところです。

本記事ではどの企業でも特に多い、ECサイトでの販売における3大解約理由を防止する対策をご紹介します。

「いかに獲得した新規に継続してもらうか」の時代に

単品リピート系通販で売上拡大に最も重要な要素は「定期購入顧客数」ですが、昨今似たような商品を販売する同業他社の乱立や、消費者自体が広告や企業のメッセージに反応しにくくなったことから、新規獲得費用が高騰しており費用の回収期間が伸び続けています。

さらに事業者にとって非常に頭が痛い問題が定期の「解約」です。
やっとの思いで「定期購入顧客」を獲得してもすぐに「解約」されてしまっては費用の回収ができず、最悪事業撤退の危険もあり、「いかに新規を獲得するか」から「いかに獲得した新規に継続してもらうか」を考える時代になりました。

この「解約」を防ぐのに最も有効なのは顧客の解約理由を「先回りして対策する」ことです。そのため自社の解約理由を収集し、解約理由に合わせた先回り施策を検討する必要があります。

そこで今回は定期購入顧客が解約するときに、最も多いとされる3つの理由への先回り対策をご紹介いたします。

購入後の長期的な関係構築が鍵

対策をお伝えする前に1つ念頭に入れてほしいことがあります。
それは、顧客はあなたの商品、業界、常識に何の知識もない「素人であることを理解」し、その顧客のために、購入後も長期的に関係構築を築くことが鍵だということです。

これは新規顧客向けのCRM施策でよくある啓蒙や教育といわれる部分ですが、「素人」と理解して行わなければ効果がないどころか、逆効果になりかねません。

例えば、専門用語の多いワイン業界などがわかりやすい例です。
ワインのECサイトで初心者をターゲットとして販売しているとします。
初めて購入した顧客に対して、難解な横文字の専門用語ばかりの案内やコンテンツを配信したらどうでしょうか?

「難しすぎてよくわからないから、ワインは私には向いていないかも」とそのお店の情報を受け取るのが億劫になり、離脱してしまうでしょう。

しかし、初心者に対して、おすすめやワインの飲み方を紹介し、ワインについての知識や歴史などというように順序を追って教育することでワインに対してのイメージが変わり、ワインの価値を多面的に理解できる顧客へ育成されます。

さらに教育された顧客は、既にお店との信頼関係が出来上がっているため、有益な情報を提供するお店からの提案に積極的に耳を傾けてくれるようになります。

同じ教育をしようとしてもここまで差が出るのは、顧客を「素人」と認識しているかどうかです。

つまり解約理由を先回りして対策していくには、それに対する情報を丁寧に教えてあげる必要があります。

主な解約理由3選

さて、ここからは具体的な解約理由について説明していきます。
これから説明する解約理由はどれもECサイトを運営する上で定番の解約理由になります。

ぜひ、「自社ではどの解約理由が多いか」という視点で読んでいただき、解約理由の課題の特定に活用してください。

また、これからECサイトを運営する事業者様も、定番の解約理由をあらかじめ理解し、今後の事業に役立てていきましょう。

解約理由①|効果がない

まず、1つめの解約理由は「効果がない」です。

こちらは、主に健康食品、サプリやダイエット関係の商材で多い解約理由です。

LPや広告などで、書かれている宣伝文句がユーザーに過度な期待を持たせてしまう場合に発生してしまいます。

これは、販売者側と購入するユーザーとの間での期待値のずれによって生じる問題です。
もちろん、販売者側も効果がない商品を販売していませんし、販売者側と購入するユーザーとの間で少なからず期待値のずれは起きてしまいます。

そのため、「効果がない」という解約理由は、購入後の長期的な関係構築によって対策することが望ましいでしょう。

解約理由②|余っている

2つめにご紹介する解約理由は、「余っている」です。
これは、「効果がない」と関連しており、非常に多い解約理由の1つです。

また、こちらは、サプリなどの使用期限が長いものなどの商材を販売しているECサイトで多い解約理由です。

そのため、購入してもらうだけでなく、購入後もユーザーが挫折せず継続的に商品を使用してくれるフォローが重要です。

解約理由③|価格が高い

最後にご紹介する解約理由が、「価格が高い」です。

主に、初回価格を50%引きなどと大幅に値下げし、2回目以降の価格設定を通常価格の5~10%引きなどと設定し、1回目と2回目以降の価格差が大きくなっている商品の場合に多い解約理由です。

そのため、初回は安いからお試しで使用したが、2回目以降の価格に合った価値を商品から感じ取れなかったことが原因として考えられます。

そのため、いかに価格に見合った価値を感じてもらうかが重要と言えるでしょう。

それぞれの解約理由に対する対策

さて、ECサイトでの定期顧客の代表的な解約理由を3つ紹介しました。
これらの解約理由を、いかに購入後の関係構築により改善するかがECサイト運営において重要です。

それぞれの対策を具体的に見ていきましょう。

「効果がない」の対策

初めに、「効果がない」の対策について説明していきます。

こちらは当然、ユーザーに効果をいかに実感してもらうかが重要となってきます。

「効果がない」と感じる理由を挙げながら、対策案を説明していきます。

適切な使用方法を長期的に教える

「効果がない」とユーザーが感じる理由として、販売者側が想定する使用方法に沿って、商品を使用していない可能性があります。

例えば、

  • 使用するタイミングを間違えている
  • 使用量を間違えている

などが挙げられます。

そのため、メルマガやLINEなどを用いて適切な使用方法を定期的に配信することが重要です。
健康食品やダイエットなどは専門家の監修のもと使用方法が定められていると思いますので、ユーザーに正しく認識してもらいましょう。

効果に気づいてもらうように促す

次に、「効果がない」と感じてしまう理由として、効果は出ているがユーザー自身が気づいていない可能性があります。

自分の健康状態などは、意外にも自分自身では認識しづらい部分もありますよね。

そこで、小さな変化の兆しでも見逃さないように気づいてもらうようにユーザーとコミュニケーションをとりましょう。
例えば、変化実感のチェックリスト等を用意し、頻繁に確認してもらう事で「そういえば・・・」と気づいてもらう、などの方法が考えられます。

「余っている」の対策

次に、「余っている」の解約理由の対策を説明します。
こちらは、いかにユーザーに挫折せず継続的に商品を使用してもらうかが鍵となります。

購入後も商品の使用をサポートする

「余っている」ということは、例えば次のような理由が考えられます。

  • 使用量を間違えている
  • そもそも商品を開封していない

1つ目は、「効果がない」の解約理由と重複する部分もありますが、商品を適切な使用方法で使用していない可能性が高いです。

そのため、正しい量を使用することが重要であることをしっかりと文章で伝える、文字だけでは使用量にピンとこないこともあるのでビジュアルで使用量をわかりやすく伝えるなどの対策を行うと良いでしょう。

また、購入はしているが、そもそも長期間商品を開封していないことも多いです。
例えば、新しいシャンプーを購入しても今あるものが無くなるまでは新しいシャンプーの封を開けて使うことは稀です。
そのため、届いたその日に開封、使ってもらうようにステップ配信などを使用して、行動を促すと良いでしょう。

スキップできるようにする

ユーザーの商品を使用する意志があったとしても、余ってしまうこともあります。

例えば、

  • ボリュームがユーザーの想定より多かった
  • 帰省などで長期的に自宅におらずその月だけ商品を使い切ることができなかった

などが挙げらます。

そのため、このような場合で有効なのがスキップ機能です。

定期購入で、スキップできることを商品購入時だけではなく、定期的にユーザーにリマインドすることが重要です。

また、こちらの方法ですと、ユーザーからすれば「無駄なお金を払っている」感覚がなくなるため、離脱しにくくなり、長期的に購入してもらうことが期待できます。

余った場合の対処法を伝える

余ることを防ぐ対策として、余ることを想定した場合の対処法を伝える、という方法もあります。
例えば、化粧水、乳液などであれば顔だけなく首などに使用するなどが挙げられます。

定期的に余った場合の対処法とメリットを、LINEなどを用いてコンテンツ配信することで、ユーザーは自発的に行動せずとも商品に対する理解を深めることができるため、定着しやすくなることが期待できます。

「価格が高い」の対策

最後に、「価格が高い」ことに対する対策について説明していきます。
販売者側としても、なるべく価格は下げたくないため、どのように対策をすれば良いか難しいと思います。

それでは、具体的な対策を説明します。

価格分の価値があることを伝える

ユーザーに価格分の価値を感じてもらうためには、競合や口コミなど比較対象を提示した上で、商品のメリットを訴求することが重要です。
また、例え、価格が競合他社より高くても、競合他社にはないメリットがあれば、価値を感じてもらえます。

例えば、美容商品が挙げられます。
美容商品は、一般的に高額な商品も扱っていますが、「期待される効果」や「移動時間などの拘束時間」といった項目で、お店に通う場合と商品とを比較し、メリットがある部分を訴求することが挙げられます。

このような、価値を感じてもらう訴求は、ユーザーが解約する手続きをしている時に出すだけでなく、定期的にコンテンツとして配信し、長期的に理解してもらうことが重要です。

ダウンセルを行う

同じジャンルの商品の中には、グレードは下がるが価格も下がるといった商品を持っている販売者も多いと思います。

その場合は、顧客当たりの購入価格は下がってしまいますが、継続して自社商品を購入してもうことが可能な「ダウンセル」を行うことも視野に入れておきましょう。

収益をゼロにしない施策なので、CRMという観点から重要な施策といえます。

他の手段と比較する

商品やサービスそのものの価値を向上させるのはもちろん、比較対象や他の手段を用いて相対的に比較してみて価値を高く感じやすくしましょう。

単純に競合と比較するのではなく、商品やサービスを購入することでお客様のライフスタイルがどのように変化するのかやそのものを手に入れる手段や道のりを比較して、メリットや価値を訴求しましょう。

その方法を知るためのメルマガや同梱物、DMなどを展開するとより親切かもしれません。

解約理由を知る事が大事

顧客の解約に先回りして対応するには、解約理由を正確に知ることが重要です。
以下では、解約理由を知るための方法を紹介します。

コールセンターからのサポートやアプローチ

顧客の解約理由を知るには、コールセンターからのサポートおよびアプローチがきっかけになります。
本来コールセンターは顧客が解約することを引き留め、新たな商品の提案や顧客の勘違いを訂正するのが仕事です。

しかし、顧客の解約する意思を毎回変えられるとは限らないため、その際には解約理由をヒアリングする役割に変わります。

顧客から直接解約理由を聞き出して、その理由を参考に今後の対応を考えることができるでしょう。

解約理由を入力するフォームを設置

顧客が解約をする手順のなかに、解約理由を入力するフォームを設置することもおすすめです。

解約理由を記載するタイミングを設ければ、コンテンツに対する顧客の意見や不満を把握できる可能性があります。 フォームに記載される情報が短文や一言だけでも、解約理由を把握するヒントに使えるでしょう。

入力フォームだけでなく、「解約理由に一番近いものを選択してください」といった選択肢を複数用意して、チェックしてもらう形も考えられます。

解約理由の特定にはシステムを導入するのもおすすめ

解約理由を特定するには、専用のシステムを導入することもおすすめです。

例えばCRMによる顧客情報の管理システムを導入して、もっとも多い解約理由を特定したり、セグメントごとに解約理由に偏りがないか分析したりといったことが考えられます。

人力で顧客の解約理由を調べるのには限界があり、無駄なコストが発生する原因となるのがネックです。

そこでCRMシステムの導入を通して、解約理由のスムーズな把握と改善策への応用を行うことが重要になるでしょう。

解約率(チャーンレート)を下げるためのコツ

解約率はチャーンレートとも呼ばれ、一定期間内に退会や解約をしたユーザーの数から算出する方法だけでなく収益やアカウント数から導き出す方法があります。

企業が商品やサービスを提供して利益を得ようとしたとき、コストや労力が多くかかる新規顧客の獲得より既存顧客の解約率を下げ顧客にサービスを継続してもらうことが必要です。

ここでは解約率を下げるためのポイントを2つ紹介します。

LTVを高める

1つめはLTVを高めることです。LTVを高めるには顧客にサービスや商品のファンになってもらい長く利用してもらう必要があるため達成する過程で解約率も下がります。

LTVを高めるための具体的な施策は以下の5つです。

  • 商品の選択肢を増やす
  • 商品の価値を高めてから単価をあげる
  • 適切なタイミングで顧客とコミュニケーションを図る
  • 会員ランクやポイント制度を活用する
  • 根強いファンに向けた施策に力を入れる

商品の選択肢を増やしたり商品価値を高めてから単価を上げることで顧客単価を増やすことができます。

商品価値を高めるとは、たとえば製品や原材料の品質を見直したり利便性を向上させるなどです。商品が欲しいと思う理由が増えればサービスの継続につながり、結果として売上も増えるでしょう。

適切なタイミングで顧客とコミュニケーションを図ったり会員ランクやポイント制度の活用、根強いファンに向けた施策では購入頻度を増やすことが期待できます。

ロイヤルティの高い顧客が特別なメリットを得られれば、サービスの継続だけでなく周りの人に薦めるなど新規顧客の獲得にもつながります。

カスタマーサクセスを行う

2つめはカスタマーサクセスを行うことです。カスタマーサクセスとは「顧客の成功」へ導くことに特化したサービスを指し、顧客への積極的なアプローチによって結果につなげます。

カスタマーサクセスが行えれば顧客へ価値を提供しつづけられるため、商品やサービスの解約率を下げられます。

カスタマーサクセスの具体的な内容は以下のとおりです。

  • サービス導入後に適切なサポートを行う
  • アップセルやクロスセルを促しサービスの価値を高める
  • 契約終了日が近い顧客やサービスの利用率が低い顧客へアプローチする
  • 顧客へのヒアリングからサービスの改善、開発を行う

まずは早いタイミングで適切なサポートを行い、サービスや商品のメリットを正しく受け取ってもらいましょう。本来の商品の価値をしっかり届けることが解約率の低下につながります。

次に上位モデルや他の商品を利用してもらうことで顧客が得られる価値を増やします。さらに、顧客の利用状況に合わせたアプローチや直接ヒアリングができれば、サービスや商品の改善ができるため顧客満足度の向上が見込めます。

カスタマーサクセスを行うことで顧客との信頼関係を維持し、解約率の低下につなげましょう。

定期解約を防ぐための改善事例

ここでは、定期解約の失敗と成功の事例を具体的に2つご紹介します。ぜひ参考にしていただき、定期解約の防止のための施策を検討していきましょう。

通信サービスにおける事例

1つ目は、携帯電話の通信サービス事業者がしてしまった失敗例になります。

南米のある携帯電話会社が行ったテストで、料金支払い過多なユーザーには別のお得なプランを紹介、もう一方のユーザーには何も施策を打たず両者の差を比較検討しました。

数カ月後に改めてユーザーを調査してみると、後者のユーザーの6.4%が解約に至ったのに対し、前者のユーザーは10%以上契約を解約するに至りました。結局、お得なプランを紹介したことが解約の背中を押すきっかけとなってしまったのでした。

携帯電話サービスは、こまめに料金を比較検討して切り替える人もいますが、大半はそのままにする人が多いと思います。しかし、プランを紹介したことによって競合のプランを自ら確認する機会を与えてしまったことが逆に作用したわけです。

このように、ユーザーの状況や環境・心理を深く読み、理解することで定期解約を防ぐ施策が裏目に出ないようにすることが大切です。

食料配送サービスによる事例

2つ目は、食品系ECサイトの成功事例になります。

ネットスーパーで有名なオイシックスは、会員向けに食料を配送するサービスを行っています。定期解約率を下げようと、お客様からアンケートで理由を吸い上げようとしましたが、あまり一貫性がなく真因を掴めず仕舞いでした。

そこでデータ分析を活用して、お客様の注文履歴や行動の傾向、解約タイミングを検証すると、お客様がいざ欲しいと思った食品と定期配送のタイミングがアンマッチとなり購買意欲が削がれてしまうことが原因でした。
それから、メニュー変更の受付時間を遅くしたり、利便性の高いLINEによるサービスに対応させるなどの改善施策を打ち出すと、解約率が2割下がるという効果を得ました。

データ分析を活用して本当の原因を見つけ、適切な施策を打ち出した非常に参考になる改善事例の一つと言えるでしょう。

まとめ

ECサイト運営に当たって、代表的な解約理由を3つ紹介しました。

  • 効果がない
  • 余っている
  • 価格が高い

本記事の内容を元に、顧客との接触ポイントを確認し、どのような情報をどうやって伝えるかを、自社の状況に合わせて考えてみてください。
接触ポイントとしては、例えば次のようなものがあります。

「どの顧客に」:
定期初回購入顧客、定期2回目顧客、定期3回目顧客等。など、解約が発生しやすいステージの顧客に。

「どのタイミング」:
購入完了画面、定期発生後、定期発送直後、次回定期確定タイミング○○日前、商品開封時、解約の連絡時等。

「チャネル」:
サイト上、同梱物、自動返信メール、メルマガ、ステップメール、アウトバウンド、インバウンド、DM、オウンドメディア、SNS等。

CRMを用いて顧客の継続率を上げよう

CRMツールとは、顧客管理ツールです。顧客のライフタイムバリューを上げるためや、継続してサービスを使ってもらうための分析ツールになります。「うちでのこづち」はその中でもECに特化したCRMツールです。

下記から資料ダウンロードをして、顧客の定期解約の対策をしましょう。

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