Instagram(インスタ)CRMとは?メリットや機能を紹介

Instagram(インスタ)CRMとはInstagramで使われるCRMのことで、顧客と双方向のコミュニケーションをとることで良好な関係を築き利益の拡大が見込めます。
しかし、双方向のコミュニケーションがとれるからこそアカウント運用で集客や売上を伸ばすためには膨大な手間と時間が必要です。
この記事では、以下のように考えている方に向けてInstagram(インスタ)CRMを導入するメリットや機能について紹介します。
- Instagramの企業アカウント運用で手間や時間がかかって困っている
- Instagramでもっと顧客とコミュニケーションをとり関係性を深めたい
記事を読んでいただければ、企業アカウントを効率よく運用し成果をだすためのInstagram(インスタ)CRMの使い方がわかりますので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
CRMとは
CRMとは「顧客関係管理」を意味し、企業が顧客と良好な関係を築くことで顧客から得られる総合的な利益を向上させるマーケティング手法です。
たとえば、顧客におすすめ商品をメールした場合、顧客の好みに合った商品であれば有益な情報と認識されますが、全く関心のない商品情報であれば迷惑に感じるでしょう。
顧客のニーズにあった情報を送ることでCRMの目的である良好な関係性が築け、ニーズを把握したり適切なタイミングで情報を送るためにCRMが必要とされています。
Instagramを活用!ソーシャルCRMとは
ソーシャルCRMとはソーシャルメディアで使われるCRMです。一般的なCRMに比べ顧客とコミュニケーションを多くとれるため、関係性が構築しやすい特徴があります。
ソーシャルメディアの主流であるSNSでは、多くの企業が公式アカウントで顧客とコミュニケーションをとることで、ファンやフォロワーを獲得し売上を向上させています。
しかし、コミュニケーションを取りやすいからこそ運用に多くの時間と労力がかかり、作業の効率化や限られたリソースで結果を出すためにソーシャルCRMが必要です。
ソーシャルCRMが重要視される理由
ソーシャルCRMが重要視される理由を2つ紹介します。
SNSの普及
SNSの普及によりソーシャルCRMが重要視されています。ソーシャルメディアの主流であるSNSは、日本国内の利用者数が8,000万人以上、普及率は80%以上です。
上位5つを見てみると、LINEが79.5%、Youtubeが62.0%、Twitterが55.9%、Instagramが52.9%、Facebookが24.6%となっています。現在も利用者数、利用時間ともに増え続けており、SNSの影響力は今後さらに広がるでしょう。ユーザーにとって欠かせないツールに成長したSNSを上手く活用するためにソーシャルCRMが重要視されています。
顧客の行動に変化
SNSやWebサイトなどからさまざまな情報が得られるようになり、顧客の購買行動が変化したことも理由の1つです。現代の買い物では、顧客は商品を購入する前に商品のリサーチや認知をソーシャルメディアで行うようになりました。
たとえば、顧客の好みの企業アカウントをフォローすることで欲しい商品を見つけたり、インフルエンサーが紹介している商品だから購入したいと考えるケースは多いです。
企業が売上の向上や集客を効率よく行うためにはソーシャルメディアの存在が欠かせないため、ソーシャルCRMが重要視されています。
Instagram(インスタ)CRMの特徴
ソーシャルメディアの主流であるSNSの中でもInstagram(インスタ)に特化したものをインスタCRMといいます。
Instagram(インスタ)CRMの機能は以下のとおりです。
- 一斉配信
- セグメント配信
- シナリオ配信
- クーポン配布機能
- 自動応答機能
一般的なCRMと同じような一斉配信、セグメント配信などの施策がインスタ上で出来ます。メンションをつけて投稿すると商品プレゼント画面が表示されるなどの機能はインスタならではです。
Instagram(インスタ)CRMを使って双方向のコミュニケーションが円滑に実施できれば、ファンや優良顧客の育成しやすく売上アップにつながるでしょう。
Instagram(インスタ)CRMの主な機能
ここではInstagram(インスタ)CRMの主な機能を紹介します。
セグメント配信
セグメント配信は、年齢、性別、居住地など条件で絞り込み顧客にあった内容のメールを配信する方法です。一斉配信に比べ、個々に適した内容のメールが送れるためコンバージョン率が高くなります。
たとえば、20代独身女性と30代既婚男性では求めている情報や商品は異なるでしょう。セグメント配信を利用すれば、20代独身女性と30代既婚男性のニーズに合った情報や商品が提供できるため、コンバージョン率の高さやリピート率の向上が期待できます。
シナリオ配信
シナリオ配信とはメール開封や商品の購入など顧客の行動に合わせて自動でメールを送り分けたり、あらかじめ設定した条件を満たした顧客に自動でメールを送る方法です。条件や行動でメールの内容が変わるため、一人ひとりに適したメールが送れます。
Instagram(インスタ)CRMではシナリオ配信の機能を利用してクイズを出し、正解や不正解によって異なる内容の配信が可能です。具体的には、特定の投稿にユーザーが回答をコメントすると、自動でDMが送られます。
クイズには、答えが知りたくなる特徴があるためユーザーの反応率を高めるために非常に有効な手段です。Instagramの特徴を上手く生かしたシナリオ配信を利用したクイズコンテンツは、あらゆるジャンルで集客効果を高めてくれるでしょう。
自動応答機能
自動応答機能はInstagramのDMに自動で回答してくれる機能です。手作業の場合たくさんのDMにすぐ返事を出すことは難しいですが、CRMを活用すれば自動応答が可能なため顧客の信頼感や安心感が得られます。
また、迅速に対応することは顧客満足度の向上や潜在顧客を逃さないことにつながるためとても重要です。たとえば、ユーザーが商品やサービスについてDMした場合、すぐに返信があった企業とはやりとりを継続しようと考えますが、数日後に返信した企業とは連絡をとらないでしょう。
Instagramの運用やDMに人的資源をあまり割けない企業にとって、特におすすめの機能です。
チャットボット機能
チャットボットとはAIを活用し自動で回答できるシステムです。顧客からの簡単な質問に自動で回答できるため、よくある質問を集め学習させておけば迅速な顧客対応が可能になります。24時間対応できるため、ビジネスチャンスを逃さないだけでなく業務の効率化も可能です。
また、問い合わせが膨大な数でも簡単な質問はチャットボット、専門的な質問や購入につながる可能性の高い問い合わせは広報担当者が対応と分けられます。チャットボットを使えば限られた人数でも多くの顧客に対応でき顧客満足度の向上が期待できます。
クーポン配布機能
クーポン配布機能は、ストーリーにコメントした顧客にその時期に適したクーポンを送る機能です。クーポンをもらった顧客は「使わないともったいない」という気持ちからクーポンを使って商品を購入する可能性が高くなります。
見込み顧客がクーポン配布により顧客になれば売上があがりますし、顧客から優良顧客に育成できればLTVの向上につながるでしょう。クーポン配布機能を上手く活用すれば集客や売上に大きな効果があるため、ぜひ利用したい機能です。
Instagram(インスタ)CRMを導入するメリット
ここではInstagram(インスタ)CRMを導入するメリットを紹介します。
顧客対応の自動化でインスタの作業時間を削減
Instagram(インスタ)CRMでは、顧客対応を自動化できるためインスタの作業時間が削減可能です。SNSではDMやコメントに答えるなど丁寧な顧客対応がフォロワーを増やすことにつながります。
しかし、一人ひとりとやりとりをして顧客と関係作りをする方法は、時間も労力もかかりすぎるため現実的に考えると難しいです。インスタCRMを導入すれば、たとえばDM経由の質問に自動で回答したり特定の文章に固有のテキストを自動で送る機能を使って、作業時間をかけず顧客とコミュニケーションがとれます。
これまで作業に割いていた時間を新たな投稿の作成や施策の考案に当てれば、さらにフォロワーや商品の売上を伸ばすことにつながるため企業の成長が期待できるでしょう。
セグメント配信でOne to Oneマーケティングを実施
セグメント配信を活用することでOne to Oneマーケティングが実施可能です。インスタの投稿は誰が見ても同じ内容なため、一斉配信と同じ効果があります。一斉配信でも伝えたい情報を発信できますが、セグメント配信で顧客にあった情報が発信できれば、コンバージョン率やリピート率のアップにつながります。
たとえば、肌荒れに効果のあるケア商品を売り出す場合、全体に発信するより肌荒れに悩んでいる顧客にすすめた方が購入につながる可能性は高いです。
また、顧客が自分に関係ない情報が多いと感じフォローを解除するリスクも減らせるでしょう。インスタCRMの機能を活用することでOne to Oneマーケティングの労力がかかるという課題も解決できます。
複数機能で双方向のコミュニケーションが可能
Instagram(インスタ)CRMの複数の機能で双方向のコミュニケーションが可能な点も大きなメリットです。SNSの特徴である双方向のコミュニケーションを最大限生かし顧客と関係性を構築することが、質の高いフォロワーやファンの獲得につながります。
たとえば、チャットボットによる自動回答やユーザーのアクションに応じた自動応答機能でやりとりが可能です。複数の機能を活用し接触回数を増やすことが、顧客と企業の心理的距離を近づけファン化を促します。
ファンになった顧客はリピーターとして自社商品を継続的に利用するだけでなく、好意的な口コミを拡散してくれる広告の役割も担ってくれるでしょう。
ソーシャルCRMが向いている企業とは
ソーシャルCRMが向いている企業はBtoCの企業です。企業相手のBtoBと違い、BtoCでは多くの一般消費者が顧客になります。
SNSを利用している一般消費者は8,000万人以上いるため、1つのアカウントでも数万人のフォロワーがいるケースも多いです。仮に、フォロワーが1万人のアカウントで1%の顧客から反応があった場合100人への対応が必要になります。
せっかくコミュニケーションをとる機会があっても対応できなければ意味がないため、ソーシャルCRMはSNSの運用リソースが不足している企業に向いています。ソーシャルCRMはSNS運用にかける労力を減らせるため、効率よくSNSマーケティングを行いたい企業にもおすすめです。
Instagram(インスタ)マーケティングの成功事例
ここではInstagram(インスタ)マーケティングの成功事例を3つ紹介します。
スリーコインズ
株式会社パルが運営する「スリーコインズ」は、基本的に1商品300円の価格設定で安さとデザイン性、便利さから女性の指示を得ている雑貨店です。
スリーコインズでは商品の魅力を発信し「まずは知ってもらう」ことを目標に、2015年にInstagramの公式アカウントを開設、運用を始めました。2016年からは自社インフルエンサーを公募し、希望者には公式アカウントを付与し商品の魅力を投稿してもらったそうです。
Instagramの運用は個人に任せており、社内インフルエンサーは1日3投稿したり、コメントやDMでフォロワーとやりとりするなど独自の工夫をしています。その結果、2022年には社内インフルエンサーは70名、公式アカウントのフォロワーは160万人に達しています。
参考:社内インフルエンサーは70名!着実にファンを増やす3COINSのInstagramマーケティング
北欧、暮らしの道具店
株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」は北欧食器や北欧家具、北欧雑貨を紹介しているECサイトです。
立ち上げ当初は通常のECサイトだった「北欧、暮らしの道具店」は広告費をゼロにするために2011年頃からEC×メディアの形にしました。
“まだ買う気のない人”にサイトに訪れてもらえるよう読者の世界観を定義し、Instagramでは一冊の雑誌をつくるようなイメージで発信しているそうです。顧客との深い関係性の構築を目的に、数字だけを追わないコンテンツ作りを推進してきました。その結果、Instagramのフォロワーは46万人を誇っています。
参考:「北欧、暮らしの道具店」が生まれるまで。世界観の作り方、SNS運用の秘訣
ローリーズファーム
株式会社アダストリアが展開する「ローリーズファーム」は20〜30代女性をターゲットとしたアパレルブランドです。ローリーズファームではInstagramで商品、コーディネート、着用動画の紹介をし、売上につなげています。
たとえば、「リール」と呼ばれるショート動画では画像だけではわからない着用したときの商品の見え方や素材感などがわかります。また、キャプション(文章)に商品の価格と番号を載せたり、投稿とショップ機能を連携させることで、商品購入ページにとべる作りになっているそうです。
店舗で選ぶ時間がなかったりコーディネートを知りたい顧客などオンラインで服を購入したい顧客に必要な情報発信がされており、Instagram運用が売上や信頼につながっています。
まとめ
今回は、Instagram(インスタ)CRMを導入するメリットや機能について紹介してきました。
Instagram運用でフォロワーやファンを増やすには手間や時間がかかりますが、Instagram(インスタ)CRMを導入すれば作業時間や労力の削減が可能です。また、業務の効率化をはかりながら一人ひとりにあったマーケティングも実施できるため、フォロワーやリピーターの増加も見込めます。
Instagram(インスタ)CRMを上手に活用して集客の自動化や売上の向上につなげたい方は、この記事を参考にしていただけると幸いです。
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