客単価とは?計算方法や客単価を向上させる7つの施策を紹介

売上を向上させるための重要な指標となる客単価ですが、算出するためにどのような計算式を利用すべきなのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
売上目標の設定や定期的な振り返り時に必要となるため、正確な計算式を把握しておく必要があります。そこで本記事では、客単価の基礎知識や具体的な計算方法について解説します。
客単価を上げる具体的な施策例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
客単価とは?
そもそも客単価とは、どのような意味を持つのでしょうか?具体的な計算方法を解説する前に客単価の基礎知識について解説します。
定義や客単価を計算するメリットについて紹介するので、客単価の重要性を知るためにも押さえておいてください。
客単価の定義について
客単価とは、消費者1人が1回の買い物で購入する金額のことを指します。
顧客単価と呼ばれることもあり、飲食店の場合、1回あたりの飲食で顧客1人が支払う平均額です。店舗の全体売上を顧客数で割ることで算出できます。仮にECサイトで3,000円の化粧水と2,500円の乳液を注文した際は、客単価は5,500円となります。
客単価を意識するメリット
客単価を計算するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- 売上の向上に繋がる
- 店舗の方針決定の指標となる
売上の向上を図るには、集客数やリピート率を高める点が重要となりますが、客単価が低ければ大きな売上には繋がりません。扱う商品やサービスによっても異なりますが、客単価の向上は重要な施策の1つです。
また、実際に商品の販売を開始してみると、当初予定していた客単価と差が発生することも少なくありません。経営方針が想定通りに進んでいるのか判断する材料として利用するのもよいでしょう。
客単価の計算方法
客単価は以下の計算式で求めることができます。
客単価=売上高÷客数
例えば、売上が100万円、客数が100人の場合は客単価1万円となります。また、客数を算出する際の注意点として、注文回数ではなく、顧客数を利用する点があります。
利用しているシステムによっては顧客数が表示されず、購入回数で計算してしまう恐れがあるため注意が必要です。
客単価が低下する原因
売上の向上を図るうえで重要となる客単価ですが、逆に考えると売上の低下にも繋がるということです。客単価が低下を防ぐことが売上の維持にも繋がるため、低下の原因となる以下2つを押さえておきましょう。
- 一人あたりの購入金額の減少
- 一人あたりの購入個数の減少
それぞれ具体的に解説します。
一人あたりの購入金額の減少
一人あたりの購入個数を上げるために取り組んだ施策が、逆に購入金額を下げてしまうケースもあります。
例えば、購入個数を増やすために、安い価格帯の商品のラインナップを増やすという取り組みです。以前からあった商品と合わせて購入してもらうことで客単価を伸ばせる施策ともなりますが、安い商品1つで満足してしまうことで客単価が減少することが考えられます。
ラインナップを増やすことが必ずしも悪い施策とはなりませんが、単純に商品数を増やして客単価の向上を図ろうと考えている際は注意が必要です。
一人あたりの購入個数の減少
セールの終了直後に購入個数が減少する可能性が高く、無策でセールを行うと、減少幅が大きくなる傾向にあります。「今回はたまたまセールをしていたから買ってみた」という考えの顧客が増え、セールが終了すると買い控えが起こります。
つまり、顧客単価の下がるセール時のみに一人当たりの購入個数が増え、通常の単価では売れにくくなることから、一人あたりの購入金額が下がってしまうということです。
また、定期的に同じ商品のセールを繰り返す行為にも注意が必要です。通常価格での購入が損と感じてしまい、次回のセールまで待とうと考える顧客が増えることで、購入個数の減少へと繋がります。
客単価を上げる7つの方法
最後に客単価を上げるための7つの施策を紹介します。
- 商品の価格を上げる
- 関連商品の購入を促す(クロスセル)
- 上位商品の購入を促す(アップセル)
- まとめ買いを促す
- 3つの価格設定を用意する
- 特典を用意する
- 対応する決済手段を増やす
それぞれの施策について解説しますので、新たな取り組みを実施する際の参考にしてください。
①商品の価格を上げる
1つ目の施策は、商品価格を上げるというシンプルな方法です。理由もなく商品価格を上げると、顧客数が減少し客単価の下がる可能性があるため、顧客が納得する理由付けがあるのが好ましいです。
例えば、「商品の品質をより向上させるために原材料を見直しました」という訴求も効果的な訴求方法の1つとなるでしょう。顧客離れを起こさないためにも、顧客が納得できる付加価値を提示することが大切です。
②関連商品の購入を促す(クロスセル)
顧客が商品を購入した際に、関連商品をおすすめするクロスセルを行うのも客単価を上げる施策の1つです。ECサイトで商品を購入する際に「この商品を購入した人が興味のある商品」のような形で表示される案内が、このクロスセルに当たります。
例えば、洗顔料を購入する際に泡立てネットがおすすめ欄に表示されるというケースも想定できます。関連性の高い商品を提示することで、顧客のついで買いを促す頃が可能です。
③上位商品の購入を促す(アップセル)
クロスセルと似た施策となりますが、購入しようとしている商品の上位商品を提示して、客単価を向上させる施策も存在します。とある商品を購入しようとしている顧客に対し、「より高機能な商品を求めるならこちらがおすすめ」というアプローチがアップセルに当たります。
ただし、顧客に押し売りとして捉えられてしまうと、顧客離れの原因ともなるため、ニーズに基づいた適切なアプローチが重要です。サブスクリプションのサービスであれば、高いプランで契約したほうがお得と思ってもらえる内容にするなど、満足度を高める点を忘れてはいけません。
④まとめ買いを促す
「2つ以上購入すると10%OFF」「5,000円以上の購入で送料無料」という形でまとめ買いを勧める手法もあります。定期的に購入するものであったり、購入意思の強い方の場合に有効的です。
また、「初めて利用する方向けのセット」というようにコンセプトを持つ商品をまとめて販売することで顧客単価を上げることもできます。例えばプロテインを初めて購入する人に向けて、粉末をよく混ぜ合わせるためのシェイカーをセットにするという方法が考えられます。
⑤3つの価格設定を用意する
商品の価格を3段階で用意しておくことで顧客単価を上げることができます。「松竹梅」と呼ばれることもあり、3つの価格を用意しておくことで真ん中の竹が選ばれやすくなります。
お土産屋さんでも、クッキーが6枚入り、10枚入り、16枚入りというように3つ商品が用意されているのも、理由の1つと考えられるでしょう。最も売りたい商品が決まっているのであれば、中間の価格設定として売り出すのがおすすめです。
⑥特典を用意する
商品購入者に対して特典を用意することで客単価のアップに繋がります。例えば、「お米を買った方に10穀米をプレゼントする」「化粧水を買った方にお試し用の乳液をプレゼントする」などが考えられます。
他社が同様のプレゼントをおこなっていない差別化ができ、お得に感じた顧客の購入に繋がるでしょう。また、売れ残りそうな商品がある場合に、特典をつけることで後押しをする効果も期待できます。
⑦対応する決済手段を増やす
オンライン決済による支払いが増えている現代だからこそ、決済手段を増やすことで顧客単価の向上を期待できます。クレジットカード決済やPayPayなどのオンライン決済に対応することで、購入層が増えることも考えられます。
特に定期便などを利用してもらう際は特に重要です。オンライン決済により毎月の支払いの手間が少なくなり、決済忘れの心配も減ることから、長期的な利益を生むことができるでしょう。
まとめ
客単価とは、消費者1人が1回あたりの買い物で支払う平均額のことを指し、売上高を客数で割ることで算出できます。顧客単価は、会社の売上の向上や方針の意思決定をする上で重要な指標ともなり、低下することで売上に直接影響を及ぼします。
しかし、現代において新規顧客の獲得の難易度は高くなっており、伸び悩んでしまうことも少なくありません。本記事では合わせて客単価向上のための施策も紹介しているので、改善を図る場合はぜひ参考にしてみてください。
最新のEC・CRM事例やノウハウ、事業者対談セミナー・記事などマーケティングに役立つ情報をお届けします。