LTV向上の方法。LTVを上げるために必要な方法とLTV施策を解説

日本全国の人口は過去最大の減少幅となっており、10年連続で減少傾向にある中で高齢者は年々増えており、人口全体の約4割に達しようとしています。
LTV(Life Time Value)ライフタイムバリューという言葉をご存知でしょうか。
通販業界などのECビジネスでは、少子高齢化・人口減少が進む日本で、『新規のお客様獲得よりも、既存のお客様のリピート率向上を目指そう』といった考え方を、指数で表したものがLTVと言われており、近年注目を浴びています。
本記事では、LTVの意味やメリット・LTVの必要性やポイント、そしてLTVの活用事例などを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
LTVとは?
LTVとは、ライフタイムバリュー(Life Time Value)の略称で、「顧客生涯価値」という意味です。意味は、顧客が一生を通じてその企業に対してもたらす利益という意味です。ここでは、LTVの重要性や注目される背景について解説します。
LTVがなぜ重要であるのか?
LTVを向上させることで効率的に利益を上げることができます。既存の顧客に継続して商品を購入し続けてもらうことにより、新規顧客を集客するよりもコストを抑えることができるためです。
長期継続購入の期間が長いほど利益も大きくなるので、既存の顧客と良い関係性を築く事が重要であり、そうしたうえで商品の最新版や関連する他商品を購入してもらえることも期待できます。
このようにリピーターを獲得し、LTVを向上させる事が大きな利益に繋がるので、さまざまな企業がLTVの向上に注目しています。
LTV向上が注目される背景は?
LTVの向上は、後に大きな収益を期待できるということで、多くの企業が注目しています。コツコツと利益を産み続けることができ、熱狂的な顧客獲得も可能なため、各企業でもLTV向上のためにさまざまな施策を打ち出しています。
注目される背景には、CRMの導入やサブスクリプション(長期継続の顧客獲得)などに力を入れる企業が増えていることが挙げられます。LTV向上のためのツールについては、この記事の終盤に詳しく載せておきますので、ぜひ参考にしてください。
LTVの計算方法を紹介
LTVの計算方法は、いくつか存在しますがその計算方法は、以下の通りです。
- 顧客の平均値でLTVを割り出す計算方法
- 新規顧客・既存顧客の管理コストを考慮した計算方法
- 1社の収益・利益を算出する計算方法
では順に、紹介します。
顧客の平均値でLTVを割り出す計算方法
全ての顧客から平均値を出してLTVの数字を出す方法は、最も標準的なLTVの計算方法になります。
LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間
- 一回注文の平均購買単価が2万円
- 収益率が40%
- 1年での購入回数は平均3回
- 利用年数5年
ですとLTVの計算方法は、20000円×40%×3回×5年=120000円。
というわけで、LTV指数は12万円の収益を見込めるといった形になります。
新規顧客・既存顧客の管理コストを考慮した計算方法
次は、新規顧客・既存顧客の管理費用も考慮した計算方法です。
LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間− 新規顧客の管理費用+既存顧客の管理費用
- 一回注文の平均購買単価が2万円
- 収益率が40%
- 1年での購入回数は平均3回
- 利用年数5年
- 新規顧客の管理費用が2万円
- 既存顧客の管理費用が4千円
ですとLTVの計算方法は、 20000円×40%×3回×5年+20000円+4000円=144000円。
というわけで、LTV指数は14万4千円の収益を見込めるといった形になります。
1社の収益・利益を算出する計算方法
最後に、1社の収益・利益を算出する計算方法です。
LTV=顧客の年間取引額×収益率×顧客の継続年数
- 顧客の年間取引額50万円
- 収益率は30%
- 顧客の継続年数は3年
ですとLTVの計算方法は、 500000円×30%×3年=450000円
というわけで、LTV指数は45万円の収益を見込めるといった形になります。
CPA/CPOではなく「LTV」基準でなぜ計測する必要があるのか?
「LTV」という指標は、通販企業の中でも健康食品や化粧品といった単品リピート商材を扱う企業にとっては馴染み深くなりつつありますが、まだまだ普及しきれていない指標です。
ですが、アパレル・雑貨等の総合通販企業においても、このLTV基準で運用する必要性が年々増してきています。理由としては、現状のEC通販で成長している企業の共通点として「LTV基準で見ているかどうか」がカギとなっているからです。
LTV計測がもたらすメリット
LTV計測をするメリット①|新規顧客のクオリティがわかる
広告を出稿し新規顧客を獲得していても、実際にCPA(新規顧客獲得1件に掛かったコスト)を抑えても売り上げが上がっていないという企業がいます。そのような場合は、LTVが低い顧客(リピートして購買するモチベーションをそもそも持ち合わせていない顧客)を獲得していると考えられます。
つまり、継続して購買してくれる広告を把握し、その広告に費用を投下すればLTVが高い可能性のある顧客を獲得することが出来ます。
LTV計測をするメリット②|既存顧客の育成状況を把握できる
また、新規集客の面だけでなく、既存顧客向けの施策もLTV基準で精査することで、顧客育成出来ているか判断することが出来ます。
例えば送ったメールによってLTVが上昇する程、顧客のモチベーションに即した施策を行えたと考えられます。CV数(又はCV率)では計れないクロスセルやアップセルのセールス以外のメールを配信する際も、LTVで判断すれば直接売り上げを作らないメールであっても、顧客育成に貢献したメールと判断することが可能となります。
その為EC通販を営む上で、LTVで計測することがとても重要になります。
LTV計測をするメリット③|LTVで施策判断ができる
LTV計測をするメリットの最後に、施策判断する際の材料になるというものがあります。基本的に広告施策などを行った際、「CPA」で判断されることが多いです。しかし、商材によっては、CPAが合わせにくい商材などもあります。
そうなってくると、施策の打ち手がかなり限られてくるため、思い切った施策を打つことができません。それにより、ビジネスの機会損失をしているケースが多くあります。一方、LTVで考えられるとCPAよりも許容幅が広くなることがほとんどのため、施策を打った際の獲得金額の許容幅が広くなり、色々な施策を打つことが可能になってきます。
また、リピート施策もうまくはまっている場合だと、他社では出せない金額でプロモーション施策などを打つことができるため、他社よりも多くのユーザーを獲得できる可能性が非常に高まります。
そのため、LTVを向上させることができれば、既存顧客や新規獲得した顧客の売上を伸ばすことが出来るだけではなく、新規ユーザーの獲得数などにも影響を及ぼすことができ、全体的な売上をグロースさせることが出来るのです。
LTV計測をするメリット④|営業にかかるコストを軽減
企業の売上を効率良く伸ばすためには、LTV向上が最も重要であるということはお分かりいただけたと思います。
営業に関しては新規の獲得にコストをかけるよりも、新規顧客によるリピート化、また既存の顧客による長期継続維持、これらのリピーターをできるだけ低コストで増やすことに重点を置いていれば、自ずと営業にかかるコストが抑えられます。
CRMなどのツールを導入する事により、低コストでリピーター率を上げていくことが可能です。
LTV計測をするメリット⑤|利益の安定が期待できる
リピーター率を上げることがLTVの向上となり、継続的に収入が見込めるので利益が安定してきます。こうして経営が安定することで、新規の顧客獲得や新たな商品開発などに十分なコストをかけられるでしょう。事業の拡大にも繋がり、更に大きな利益をもたらすことも期待できます。
その一方で、昔のように新規の顧客獲得ばかりに執着していると、コストがかかるうえに継続的な収入も見込めません。こういった悪循環は不安定な運営状態になると言えます。
LTVを向上させる必要性
基本的に、EC通販の鍵となるのは「リピート」です。ECを運営する上で、かかってくる費用の大部分が広告になってくるので、広告に頼らなくても購入してくれるユーザーを増やすためにも自社のユーザーのLTVを向上させる必要があるのです。
ここでは、LTVを向上させる必要性や目的について解説します。
顧客との関係を強化する
はじめにお伝えしましたが、顧客と良い関係性を築くことがLTV向上に繋がります。購入前と購入後の対応がガラリと変わってしまうようでは、顧客はすぐに離れていくでしょう。
継続的に購入し続けてもらえるよう購入後のアフターケアにも力を入れ、十分なサービス・サポートを提供して信頼関係を築いていきます。顧客ロイヤリティを高めたうえでタイミング良くアプローチする事ができれば、長期的な売上につながるでしょう。
自社のブランド価値を向上させる
顧客との信頼関係が成り立ってくると、顧客は自社商品に愛着が湧き、アップセルや購入頻度を促すアプローチに応えてもらいやすくなります。これは自社そのものに対する信頼感、愛着をも示すものでもあり、これらが得られれば自社ブランド価値の向上につながるわけです。
企業側も商品やサービスの質を上げていくことに努めたり、顧客のニーズに合わせた情報の発信を心掛けたりなど、サービスやブランド価値を高めることでLTVの向上も見込めます。
収益の仕組みを改良する
新規顧客の獲得には大きなコストがかかりますが、リピート顧客獲得にかかるコストは比較的少ないです。リピーターを増やして継続的に商品が売れれば、収益も安定化します。
新規顧客による収益に依存する構造から、リピーターによるものへと収益の仕組みを改良することで、安定した売上が期待できます。既存の顧客により良いサービスを提供し、ファン化を目指しましょう。
LTVを向上させる前にまずは把握するべき5つのポイント
LTVを最大化させる前に、まずはこの5つのポイントを把握する必要があります。
- 獲得コスト・維持コストの削減
- 平均購入単価の向上
- 購入頻度を高める
- 継続期間・維持率の向上と離脱率の低下
- 獲得顧客数の増加
また、上記5つを部分的に改善しただけでは成功する訳ではなく、総合的に見直さないといけません。それぞれのポイントをみていきましょう。
獲得コスト・維持コストの削減
「獲得コスト」「維持コスト」を下げることが最も理想的です。ECを運営する上で、かかってくる費用の大部分が広告になってくるので、広告に頼らなくても購入してくれるユーザーを増やすためにも自社のユーザーのLTVを向上させる必要があるのです。
自社の商品を購入してくれたユーザーに好きになってもらい、また買ってもらう。そうしたサイクルを生み出すことで、LTVはより向上し、顧客が生涯に落とすお金が増え、結果利益が最大化します。
平均購入単価の向上
すべての顧客の平均単価を意識しましょう。獲得コストが上がってしまったとしても、平均購入単価を引き上げることで担保するような戦略が組めているのであれば、LTV向上の取り組みを効率的に行う事が出来ます。
購入頻度を高める
顧客の購入頻度を高めることも、LTV向上につながります。顧客獲得にかけるコストを上回る売上を出すためには、購入単価だけでなく、購買頻度を高めると良いです。顧客データを分析して、頻度をアップさせる仕組みづくりを目指しましょう。
継続期間・維持率の向上と離脱率の低下
既存顧客による商品の購入継続期間は、長ければ長いほど利益を産むため、様々な施策を打ち出しながら継続を維持してもらえるよう努めます。既存の顧客データを細かく分析し、ロイヤリティを高める事が重要であり、維持率の向上につながります。
また、データから離脱率の高い商品・期間を探ってみると何らかの原因や共通点が見えてくるはずです。データ上に現れてきた情報を元に、新たな施策を打ち出し、離脱を防止していきます。
獲得顧客数の増加
LTVは顧客1人に対しての計算結果を出すことに長けていますが、1人1人細かく売上を出すのは厳しいかもしれません。個別で考えるのではなく、全体的に考えてみましょう。購入単価の高い顧客を増加することで、平均LTVが向上するだけでなく、企業の売上アップが期待できます。
活用すべきデータと業種毎にみるLTV向上のポイント
LTVの向上の仕方については、購買サイクルが違う業種ごとに説明します。
定期通販のLTV向上ポイント
定期通販の主である単品リピート商材は「ニーズ商品」と呼ばれ、課題解決のために購買されます。消耗品を取り扱うことでまた同じ商品をリピート購入し、使い続けてもらうため、一定期間に何回買ってもらうのかがポイントです。
定期を持っていなくてもどれくらい顧客に買い回りをしてもらえるか予測し、1年単位で事業予測を立てても、実際にその目標通りに各商品が転換されているのか細かく把握している企業は商品点数が増える程少なくなっていきます。
転換するサイクルを把握し、顧客の買いまわりのスピードを早めてあげることで、目標に向けて戦略立てることが出来ます。顧客の転換を早めるフォローが出来ていないと新商品を多くリリースし新規顧客向けに展開しても利益を出すことは難しくなっていきます。
5,000円のAという商品を1か月分(30日分)のパッケージで定期商材としてリリースしたとします。正しく30日で転換している傾向があった場合、この月に流入した顧客は年間平均12回回転する為60,000円ですが、このA商品の転換のサイクルが40日だった場合、年間の購入回数は9回に留まってしまい、年間のLTVは45,000円となります。
同じ傾向の顧客が1,000人おり、サイクルを本来のタイミングに戻すことができた場合、年間LTVは(60,000円-45,000円)×1,000人=15,000,000円となり、大きな損失を防ぐことが出来ます。
このように、平均の転換日数と回数を把握し年間LTVを算出して見ていくと、ボトルネックになっているポイントを発見することが出来ます。
都度買い
次に都度買いについてです。アパレル・雑貨等の商材に多いですが、消耗品でない限り1商品がリピートされることはなく、いわゆる「ウォンツ商材」と呼ばれます。このような商材を通販で展開する上で、いかに一回の購入単価を増やせるかがLTVを伸ばしていくポイントとなります。
そこで見るべきデータとしては、併売商品の傾向です。「A商品」もしくは「Aカテゴリの商品」と一緒に買われやすい商品やカテゴリを把握することで、顧客へのアプローチを最適化することができます。
アプローチを最適化することにより、1顧客当たりの単価を増やし、購入回数を引き上げる施策を行うことができれば、年間でのLTVを最大化させることができます。
シーズンごとに商品が入れ替わるため、計測期間を絞ってLTVを把握し、より優良顧客が生まれやすい商品やカテゴリを見出すことで、傾向値を戦略に反映させていくことが出来ます。
LTV基準でEC通販を取り込む事で、どんな業種・事業形態であっても取り組んでいる施策が、本当に今後にとっても意味あるものなのか選別することが出来ます。今後は更に新規顧客の獲得率が鈍化していくことが想定される昨今では、LTVでの判断は必ず必要になります。
ビジネスモデル別のLTV向上施策
ビジネスモデルによってLTV(顧客生涯価値)の向上施策は異なります。以下にビジネスモデル別のLTV向上施策を紹介します。
ストック型ビジネスの成功例3選
ストック型ビジネスは、定期的な支払いを行うことで、特定の商品やサービスを利用できるビジネスモデルです。一度登録することで、定期的に商品やサービスが提供されるため、顧客は定期的な支払いをすることで、継続的に利用することができます。
代表的なサブスクリプションビジネスには、音楽配信サービスや映像配信サービス、SaaS(Software as a Service)などがあります。サブスクリプションビジネスの特徴として、継続的な収益が得られることが挙げられます。また、定期的な支払いを行うことで、顧客との長期的な関係性を構築することができます。
■ストック型ビジネスの例
①Amazon
Amazonは年会費を支払うPrime会員に対して、配送料無料、限定商品の割引、プライムビデオなどのサービスを提供しています。これにより、顧客の継続率を向上させ、LTVを増加させることに成功しています。
②Spotify
Spotifyは、音楽ストリーミングサービスを提供する会社です。ユーザーのリスニング履歴やプレイリストを分析し、個別のオススメ曲を提供する「デイリーミックス」など、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、顧客満足度を高めています。さらに、Spotify Premium会員には、広告の削除やオフライン再生などの特典を提供し、リピート購入を促進しています。
③Netflix
Netflixは、定期的なコンテンツの更新や、オリジナルコンテンツの提供などにより、顧客のリピート率を高めています。また、顧客の動画視聴履歴に基づいたパーソナライズされた推薦機能の導入もLTVの向上に貢献しています。
■ストック型ビジネスのLTV向上施策
サブスクリプションビジネスは、定期的なコンテンツ(商品)追加やパーソナライズなサービス提供の充実、顧客のニーズの理解やフィードバックの活用などがLTV向上の重要な成功要因です。また、解約の回避=LTVの向上である為、以下のような施策も有効といえます。
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解約理由のヒアリング:顧客が解約する理由をヒアリングし、改善点を把握することで、同様の問題が発生しないように対策を講じることができます。
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特典の提供:顧客に特典を提供することで、継続的な利用を促します。例えば、定期的な割引やポイント還元などが挙げられます。
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定期的なコンタクト: 顧客とのコミュニケーションを強化することで、顧客の関心を引き続け、サービスの利用を継続させることができます。例えば、定期的にメールやSNSなどで情報発信を行い、新しい機能やサービスを紹介することが考えられます。
フロー型ビジネスの成功例3選
フロー型ビジネスとは、商品やサービスを一度の購入で完了するビジネスモデルのことを指します。つまり、顧客が商品やサービスを購入した時点で、取引が完了し、それ以上の売り込みやサービス提供は行われません。代表的な例として、飲食店や小売店、ECサイトなどが挙げられます。
売り切り型ビジネスは、顧客が商品やサービスを一度しか購入しない場合も多く、顧客単価が低い傾向にあります。そのため、LTV(顧客生涯価値)を向上させるためには、リピート購入の促進やアフターサービスの充実など、顧客満足度の向上につながる施策が重要になります。
■フロー型ビジネスの例
①Apple
Appleは、iPhoneの発売以来、そのデザインや機能性に定評があり、世界中で多くのファンを獲得しています。しかし、単なる商品提供にとどまらず、顧客サポートに力を入れ、定期的なソフトウェアアップデートやアフターサービスを提供することで、顧客満足度を高めています。また、Apple WatchやApple Musicなど、さまざまなアプリやデバイスを展開することで、リピート購入を促進し、LTVの向上につながっています。
②Starbucks
スターバックスは、コーヒーショップチェーンとして世界中に展開しています。スターバックスは、定期的な新商品の提供や、My Starbucks Rewardsプログラムの導入など、リピート購入を促進する施策を展開しています。また、店舗の空間やサービスの提供にも力を入れ、スターバックスのカフェで過ごす時間を「第3の居場所」として提供することで、顧客満足度を高めています。スターバックスは、定期的な施策の改善に加え、新しい市場への進出など、事業の拡大を進めることで、LTVの向上につなげています
③Nike
Nikeは、定期的に新商品を発売することで、リピート購入を促進しています。また、NikePlusという会員制度を展開しており、会員には限定商品やセール情報、イベントの先行予約権などの特典が与えられます。会員制度に加入することで、より長期的な関係性を築くことができ、LTVの向上につながっています。
■フロー型ビジネスのLTV向上施策
フロー型ビジネスは、需要の変化に対応した商品のラインナップや、コンテンツの更新など、定期的な改善・改良を行うことで、市場での競争力を維持していくことや、アップセル・クロスセルなどの施策によっていかに一回の購入単価を増やせるかが、LTV向上に不可欠です。クロスセル・アップセルの推進に際しては、データを活用して顧客の嗜好やニーズを把握し、クロスセル・アップセルの機会を見出し、アプローチすることが必要です。
LTV向上に最適なツール3選
LTVを向上させることで効率的な運営が可能になりますが、多くの企業はツール導入による失敗は避けたいはずです。実際にどのようなツールを利用すればいいのでしょうか。ここでは、LTVの向上に最適なツールを3つ紹介します。
CRM
CRMとは効率的な顧客管理を目的としたITツールであり、LTV向上に最適なものと言えます。顧客のデータを一元化し、スムーズな情報共有が可能です。これらの情報を詳細に分析し、最適なタイミングで顧客にアプローチすることによって、顧客へより良いサービスを提供できるでしょう。
また、企業に対しての信頼感を持たせることもできます。こうして面倒な運用の手間やコストを抑えながら顧客ロイヤリティを高めていくのに有効的です。
MA
MA(マーケティングオートメーション)とは、顧客の開拓を自動化できるツールになります。WEBサイト上から見込み客(リード)の情報を入手し、リストを作成することでリードの属性や行動履歴などの分析が可能です。
MAをうまく活用すると、最適なタイミングで顧客へアプローチできるでしょう。全てが自動化できる訳ではありませんが、情報収集にかかる手間とコストを軽減できます。オンライン化が急速に進んだ今、MAを導入する企業は大幅に増えています。
チャットボット
チャットボットとはチャット(対話する)ロボットのことです。事前に想定される会話などを記録させ、顧客からの問い合わせにチャット上で自動返信する仕組みです。顧客が知りたい情報まで迅速に案内することで、顧客ロイヤリティの向上につながるでしょう。
また、スムーズな対応が可能であるため、EC業界ではカゴ落ち(購入フォームで顧客の途中離脱)の防止としても期待されています。AI知能を上手く活用することで、人的コストの削減も可能です。
LTVを高めるには?成功事例を紹介
LTVを利用することで新規顧客を増やしていくことで利益を上げていくことが可能です。
しかし、いろいろな商品が提供されている以上、顧客を獲得することは難しく課題と言えます。そのため、他の企業がどのようにLTVを利用して成功しているのか確認することも大事です。以下の事例を見ていきましょう。
事例①|ビール×サブスクリプション
ビールを提供する企業が毎月2回ビールが届くサブスクリプションを開始しました。
消費者に新鮮なビールを届けてLTVの増加を考えたやり方ですが、結果は予約待ちが発生するほどの人気が出て、安定した収益の確保と多くのファンを獲得して顧客数の増加を行うことができました。
消費者はビールが送られてくるので買い忘れなどによる失敗を防げるメリットがあり、また特別感を与えたことが成功につながったと言われています。
事例②|野菜×宅配サービス
ある野菜宅配サービスは、マーケティングの基本方針として「お試しセット」を利用し、顧客に定期便の申込みを前向きに考えてもらえるように施策しています。特に、LTVの向上のため商品の改善を効果的に行えるよう、顧客目線の声を聞くことができるように取り組んでいます。
例えば、定期便の解約を行う顧客には、退会する理由を取るためのアンケートを実施しており、改善点が正確に分かるようにマーケティングを行います。顧客目線を取り入れるため、テストマーケティングで評判が悪いなら中止し、顧客に満足してもらえるための情報収集にも力を入れました。
顧客が満足できるように取り組んだ結果、新規顧客数を伸ばすことができLTVの増加につながりました。
事例③|ホテル×予約専門サイト
ホテル予約専門サイトは単純な顧客数の最大化ではなく、顧客あたりのLTVの最大化にフォーカスした組織づくりを行いました。
顧客が満足できるように全てのホテルがサイトに登録できるわけではなく、独自の基準を設けて厳選して選ばれたホテルのみが登録できるようにされています。ホテル選びの基準は、顧客のホテル選びのマーケティング結果を取り入れます。
例えば、年間十回ほど利用する顧客が「京都」で検索した際、好みが蓄積されるように仕組みを設定し、どんなホテルが選ばれているのか確認します。
また、メールやお問い合わせなどのツールを利用し、コミュニケーションを取ることで顧客の重視する点を理解するようにしています。この結果、顧客の利用額を高めることに成功しました。
CRMツールを活用すると顧客のLTV分析もラクに
LTVを向上させるためのポイントはいくつもありますが、それを行うにあたって大事なことは、「顧客の状態を把握」することです。新規顧客になったばっかりなのに、リピート施策を打ったとしても効果は期待できないどころか、顧客からうっとおしいと思われてしまう可能性もあります。
また、全く稼働がない顧客に関して打つのもコストの無駄です。そのため、顧客の状態を把握することが大事なのです。しかし、顧客の状態をツールなどを介さずに把握することは至難の業。そんな時は、「CRMツール」を活用しましょう。
CRMツールは、顧客の状態を見える化することが出来るだけではなく、施策の効果やDMの自動化などもでき、効率的にリピート施策などを打つことができます。
うちでのこづちは、そんなLTV向上のための施策を打つ際には、最適なCRMツールです。1度、お試しくださいませ。今なら無料でデモを使うこともできますよ。
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