リマーケティングとは?基礎知識や仕組みを解説

自社サービスに興味を持ってくれたユーザーに対してアプローチを続けることは、その後の利益獲得につながるチャンスとなります。
特定のユーザーに広告を配信する「リマーケティング」は、そんな利益獲得を目指すときに有効な手段になるでしょう。
しかし、リマーケティングという言葉の意味や仕組みを正しく理解していなければ、効果的なアプローチはできません。
そのためリマーケティングに関心がある場合には、まずその基礎を把握する必要があるのです。

この記事では、リマーケティングについての基礎知識と仕組みを解説します。
リマーケティングのメリット・デメリットに加えて、実際の始め方も紹介しますので、マーケティング担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

リマーケティングとは


リマーケティングとは、自社のサイトを訪れたことのあるユーザーに対して、再訪問をしてもらうための広告を配信するマーケティング手法です。
リマーケティングではユーザーのWeb上の行動を追跡し、閲覧したコンテンツに合わせた広告を配信してアプローチを行います。

サイトを閲覧した経験を持つユーザーは、実際に商品やサービスを購入する可能性の高い見込み顧客(顕在顧客)と判断可能です。
その後のコンバージョンにもつながりやすいので、リマーケティングは企業にとって期待値の高いマーケティング方法になります。

1度でも訪問した経験があるユーザーは、自社の商品・サービスについて多少の情報を持っていることが予想可能です。
ちょっとした後押しが購入のきっかけになることもあるので、リマーケティングで能動的なアプローチを行うことも考えられます。

リマーケティングの仕組み


リマーケティングでは、訪問したユーザーに専用のタグを使って「Cookie」を付与する仕組みが採用されています。
Cookieによる追跡を行うことで、別のWebサイトの閲覧中に自社サイトに誘導するための広告が表示可能です。
リマーケティングの仕組みでは自社サイトの宣伝をピンポイントで行えるので、ユーザーの意識に直接的に働きかけることができます。

リマーケティングの種類

リマーケティングの種類としては、以下の5つを紹介できます。

・Google広告(GDN)
・Yahoo!広告(YDN)
・Facebook広告
・Instagram広告
・LINE広告

いずれもマーケティングにおける主流の運用型広告なので、さまざまな角度からのアプローチが可能です。
各サービスが設定しているタグを設置してCookieによる追跡を行えば、簡単にリマーケティングが実施できます。

リマーケティングとリターゲティングの違いは?


リマーケティングは、ときに「リターゲティング」という名称で呼ばれることがありますが、基本的な意味は同じです。
いずれも訪問したユーザーにアプローチをする追従型広告になり、仕組みに関しても変わりはありません。

リマーケティングとリターゲティングは、使用されるプラットフォームが違うために使い分けられています。
具体的には「リマーケティング=Google広告」「リターゲティング=Yahoo!広告」で、それぞれ使用されているのです。

リマーケティング広告でできること


リマーケティング広告でできることはさまざまで、用途に合わせて活用していくことが可能です。
以下では4つのリマーケティング広告を参考に、実際にどんなことができるのかを解説します。

標準的なリマーケティング

標準的なリマーケティングでは、対象ユーザーが広告配信の枠を確保しているWebサイトやアプリを閲覧しているときに広告を配信できます
ポピュラーなリマーケティング手法であり、自社サイトにタグを設置して訪問ユーザーをリスト化することで、配信先として選定することが可能です。

標準的なリマーケティングはユーザーのセグメントを作成して細かく設定できるのも特徴です。
例えば「サイトを訪問したユーザー」と「商品をカートに入れたユーザー」を分類して、よりコンバージョンつながる可能性が高い方に広告を多く配信するという工夫も行えます。

動的リマーケティング

動的リマーケティングでは、リマーケティングの対象となるユーザーの行動を分析して、最適な広告をカスタマイズして作り出すことができます。
例えばユーザーが過去に閲覧したWebサイトを参考に、関連性が深いと想定される商品やサービスを自動生成して表示可能です。
内容に合わせて広告のサイズが自動で調節されるなど、広告の配信枠を効果的に使えるのも魅力となっています。

よりユーザー個人に寄り添った広告が展開できるので、関心を惹ける可能性が高いです。
特に人材関連や不動産賃貸など、ユーザーの趣味嗜好が重要視されるジャンルでは動的リマーケティングが有効に使えます。

検索広告向けリマーケティング

検索広告向けリマーケティングでは、リマーケティングの対象ユーザーが検索エンジンを使用しているときに関連広告を表示できます。
自社サイトを訪問したけれど、「もう少し調べてから購入を検討したい」というユーザーに向けて広告を展開可能です。

検索中はユーザーの意識が関連商品の購入に傾いているため、アピール効果が高まりやすいタイミンングとなります。
購買意欲の高いときを狙ってアプローチが行えるので、検索広告向けリマーケティングもコンバージョンの達成を近づけるでしょう。

動画リマーケティング

動画リマーケティングでは、自社コンテンツの動画やYoutubeチャンネルを閲覧したユーザーを対象に、広告を表示することができます。
Youtubeアカウントと広告を紐づけることで配信が可能となり、動画視聴をきっかけとして対象のリストを構成するのが特徴です。
配信される広告の種類は動画はもちろん、Webサイトやアプリの閲覧時に表示する広告も対象となります。

リマーケティングの始め方


リマーケティングは、複雑な設定や専門知識がなくても簡単に始めることが可能です。
以下からは、基本的なリマーケティングの始め方を紹介します。

①リマーケティングタグの取得する

リマーケティングを始めるには、まず「リマーケティングタグ」を取得してWebサイトに設置します。
GoogleやYahoo!などの各種広告管理画面でリマーケティングタグを取得し、広告対象となるWebサイトのソースコードに埋め込むことで準備は完了。
リマーケティングタグが埋め込まれたWebサイトにユーザーが訪れると、Cookieが付与されて追跡が開始されます。

②リマーケティングリストを作成する

リマーケティングタグによってCookieを付与されたユーザーは、「リマーケティングリスト」を作成することでリスト化できます。
リマーケティングリストを参考に広告を配信し、再びWebサイトに訪問してもらうように促すのがリマーケティングの基本です。

リマーケティングリストにはさまざまな設定が可能で、「Webサイトを訪問したユーザー」「申し込みを行ったユーザー」などの形で分類することもできます。
ユーザーを追加する方法やリストにキープする期間なども設定できるので、ターゲットを絞り込んだ上でリマーケティングが可能です。

③リマーケティングリストを組み合わせる

リマーケティングリストが充実してきたら、その情報を組み合わせてより精度の高いアプローチを行います。
例えば「Webサイトを訪問したユーザー」と「コンバージョンに成功したユーザー」のリストを組み合わせて、「Webサイトを訪問したけどコンバージョンに至らなかったユーザー」をリストアップして広告を配信することが可能です。
特定のユーザーに対して積極的なアプローチが行えるので、戦略的なマーケティングにつなげられます。

リマーケティングを利用するメリット


リマーケティングを利用することには、さまざまなメリットがあります。
以下を参考に、基本的なリマーケティングのメリットをチェックしてみましょう。

見込み客への再アプローチができる

リマーケティングは、商品やサービスを購入する可能性の高い見込み顧客に再アプローチできるのが大きなメリットです。
見込み顧客とは、自社の商品やサービスに関心があり、今後実際に購入する可能性に期待できるユーザーと定義されます。
リマーケティングではこの見込み顧客に対して的確に広告を配信し、優良顧客になるきっかけを提示することが可能です。

ECサイトで商品をカートに入れたけれど、最終的に決済まで進まなかったカート放棄率(カゴ落ち率)は、Baymard Instituteの調査によると世界平均で約70%もあるとのこと。
しかし逆に考えれば、1度はカートに商品を入れるほど興味を持った見込み顧客はたくさんいることがわかるため、リマーケティングにメリットが見出せるでしょう。

コンバージョン率が高い

リマーケティングは既に自社サイトを知っているユーザーを対象に行われるため、コンバージョン率(CVR)が高い傾向にある点もメリットです。
「自社のサービスを認知してもらう」というプロセスを踏む必要がないため、スムーズにコンバージョンにつなげることができます。

ユーザーは「商品の購入を検討していたけれど、時間が経つにつれて意欲がなくなった」「どんな商品を買う予定だったのか忘れてしまった」となるケースも多いです、
リマーケティングでは実際にユーザーが閲覧した商品を広告として提示できるので、商品をリマインドさせることができます。
改めて購買意欲を刺激できることも、リマーケティングのメリットです。

CPA(顧客獲得単価)を抑えることができる

リマーケティングはコンバージョン率が高いため、CPA(顧客獲得単価)を抑えられるというメリットもあります。
CPA(顧客獲得単価)とは、コンバージョンを1件獲得するためにかかったコストのことです。
コストをかけることなく成果を見込めるため、費用対効果を高められます。
CPA(顧客獲得単価)を抑えた分、事業のリソースを別の部分に回せるというメリットもあるでしょう。

広告展開を効率よく行える

リマーケティングでは自動入札機能などを使うことで、効率的な広告展開が行えます。
予算やCPAを意識しながら最適な広告を提示していけるため、無駄な時間的コストが発生しづらいのもメリットです。

広告制作を簡単に行える

リマーケティングはテンプレートなどを用いることで、広告制作を簡単に行えます。
広告の制作のために人を雇う必要はなく、すぐに広告を配信可能です。
多くの時間をかけて準備をする必要がない点も、リマーケティングのメリットに含まれます。

リマーケティングを利用するデメリット


メリットが多い一方で、リマーケティングにはデメリットもあります。
事前に対策が取れるように、下記で詳細を確認しておきましょう。

再アプローチによってユーザーに不快に思われてしまう

リマーケティングはユーザーの行動に合わせて広告を表示するため、しつこすぎると不快感を与える可能性があります。
何度も同じ広告が表示されることに嫌気がさしてしまうと、商品や企業に対するイメージが損なわれることも考えられるのです。

リマーケティングを実施する際には、「フリークエンシーキャップ」を設定して広告の表示回数を制限することが対策になります。
フリークエンシーキャップでは購入する見込みの低いユーザーへの広告表示を減らすなどの調整もできるので、費用対効果を高めることも可能です。

アプローチ数に限りがある

リマーケティングで広告配信の対象になるのは、Webサイトやアプリを訪問してくれたユーザーだけとなるので、アプローチ数に限界があります。
幅広いユーザーに対して自社をアピールしたいときには、リマーケティングだけでは対応が不十分となるかもしれません。
同時にディスプレイ広告を展開するなど、リマーケティングのデメリットを補う工夫をすることも重要です。

リマーケティングを効果的に配信するには?


リマーケティングを効果的に配信するには、「リマーケティングリストの精度を上げる」「コンバージョンするまでの期間を把握する」などの対策がポイントです。
リマーケティングリストのユーザーを年齢、性別、「サイトを訪問してすぐ離脱した人」「カートに商品を入れた人」などのセグメントで分けることで、より自社商品・サービスにマッチしたユーザーを絞り込んで効果的な配信が行えます。
また、既にコンバージョンに至ったユーザーに対して、しばらく時間を空けてから再度リピート購入を促す広告を出すなど、ピンポイントのアプローチを実施することも一つの手法です。

リマーケティングを行う際には、自社商品やサービスがWebサイトの訪問後どのタイミングで購入されやすいのかを把握することも重要です。
購入されやすいタイミングが分かっていれば、その機会を狙って的確な広告を配信できます。
無駄な広告費用を削減できるので、長期的にリマーケティングを実施していくのならコンバージョンのタイミングはぜひチェックしておきましょう。

そのほか、「どのページがユーザーの購入モチベーションを高めるのかを把握する」「リストに合わせて入札単価を変える」「リマーケティング以外の広告にも着手する」「リマーケティング用のバナーを増やす」などの手段も、効果的な配信につながります。
自社コンテンツや環境に合わせて、各施策を臨機応変に実施してみることがおすすめです。

まとめ


リマーケティングは、ユーザーへの適切なアプローチによってコンバージョン率を高めることができる魅力的なマーケティング手法です。
Webサイトの訪問率は高いのに、そこからコンバージョンにつながらないという悩みをお持ちなら、こちらを参考にリマーケティングを試してみてはいかがでしょうか。

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