【CRM設計の基本】商品使用サイクルから導く施策タイミング(単品通販編)

昨今通販事業におけるCRMの重要性は高くなっています。しかし通販事業者の多くはCRMの重要さは理解しているものの、適切な施策設計ができているとは言い難いのが現状です。

本項ではCRMの施策設計する際に見るべきポイントとして商品の使用サイクルと施策タイミングの相関関係についてご説明します。

CRM設計とは?

CRM設計とは、ターゲットに対するアプローチの施策を考え、決定することです。CRMにより集めた情報を分析することで、適切なタイミングで顧客へのアプローチが可能になり、リピーター獲得が期待できます。

根強いファン獲得には大きく役立ちますが、効果を出すにはしっかりと施策を打つことが必要です。そのため、CRM設計により適切なアプローチ方法を決定します。

CRMを設計する際に見るべきポイント

CRM設計により最適なアプローチ方法を考えることは非常に重要であり、企業の売上を伸ばすためには必要不可欠なものです。では、具体的にどうCRMを設計すればいいのでしょうか。

ターゲットの選定をする

最も初歩的で重要な要素が「ターゲットの選定」になります。

競合が増え続けている通販業界において新規顧客の獲得コスト(CPO)は年々上昇し、そうした中で新規顧客偏重のビジネスモデルから、既存顧客偏重のビジネスモデルすなわちCRMの強化に舵をきる通販事業者が増加しています。優良顧客の獲得に向けて多くの企業が細かくターゲットを選び、効果的に施策を打ち込んでいます。

アプローチをかける相手が曖昧であると効果はありませんし、コストや時間の無駄になるでしょう。顧客側の立場になり、アプローチ方法を考えることが大切です。成功するか、失敗するかはターゲットの選定で大きく分かれるでしょう。

コンタクトのタイミングを決める

顧客へコンタクトする際、タイミングに気を付けることも重要です。情報を必要としているタイミングでのアプローチは顧客の購買意欲を高めることに繋がります。しかし、必要でないタイミングである場合、顧客は不快感を感じ、自社サービスの利用を避けるようになってしまうリスクがあります。

多くの企業は上記のように、ブランドへのロイヤリティを低下させるようなコミュニケーションは避けたいはずです。

タイミングを計る方法として、「購入商品の使用サイクルを考えること」が挙げられます。消耗品であれば、「毎朝洗顔料を使う」など商品を使用するサイクルがあると思うので、使い切るタイミングに合わせたアプローチ方法を考えると、より効果的なCRM設計が可能になります。

どのようにアプローチするか考える

アプローチのタイミングを考えたあとは、具体的な方法について考えます。どのようなアプローチであればリピーターを獲得することができるのか試行錯誤しましょう。直接メールを送る、SNSに投稿して認知を広げるなど方法はさまざまですが、自社に合ったものを選ぶことが大切です。

アプローチの仕方によっては顧客の満足度を高めることができますが、自社へ不信感を抱いてしまうリスクもあります。個人に適したアプローチを目指しましょう。

CRM設計に活用できるRFM分析

CRM設計をより良いものにするためにはRFM分析を活用するといいでしょう。RFM分析とは、最終購入履歴、累計購入回数、累計購入金額によって顧客を属性ごとに分け、分析する方法になります。

RFM分析はCRM設計に活用できるだけでなくLTV(顧客生涯価値)を向上させることが可能です。会社の売上を伸ばすためにも、まだうまく活用できていない方は導入を積極的に行ってみましょう。

また、RFM分析方法に加え顧客に寄り添った施策を取るとことで、より効果のあるCRM設計を施策することができます。

商品使用サイクルの計測方法と他社事例

自社の商品の使用サイクルを知るために最も適した指標は「再購入」のタイミングになります。ただし、再購入までの期間にメールやDMなどの販促を実施すると再購入の山が実施した販促に紐づいてしまうので、何も販促施策を行っていない顧客で計測する方法が最も正確です。

ある化粧品通販会社の事例を紹介します。

下記図は初回購入した顧客が施策を実施せずに、再購入したタイミングを割合で出しています。これを見て頂くと購入後30日から再購入率が上がり、40~50日で全体の45%の再購入が起きていることが明らかです。その後45日をピークに再購入率は減少し、60日では5%前後まで下がっています。

この通販会社は使用サイクルを30日で想定していたため、20~25日に再購入を促す強い販促を行っていました。しかし実際の消費者は40日前後で再購入しており、今まで実施していた施策はタイミングとしては早く、消費者の心理状況にそぐわない施策タイミングだった可能性が露見します。

そこでこの通販会社では再購入を促す販促タイミングを10日後ろにずらし、30~40日に強い販促施策を起こったところ、レスポンス率が2%→4.5%と大幅に伸び、顧客の再購入率も大きく伸びました。商品使用サイクルに合わせ、施策のタイミングを設計する重要性を大きく感じる結果になったと思います。

ただ、すでに様々なCRM施策を実施しており、何も販促施策を行っていない顧客がいないので、上記のような計測ができないという通販企業も多いと思います。そのような場合はぜひ今実施している施策のタイミングを5日刻みでスライドし最も再購入が多かったタイミングから商品使用サイクルを導く方法をお勧めします。

例えば、現状購入から30日前後に販促施策を実施されている場合、25日、30日、35日、40日の4つに顧客をグループ分けし、それぞれのレスポンスを計測し、最もレスポンスが高かったタイミングが再購入しやすい、すなわち商品使用サイクルに適した販促タイミングと言えます。あとは全体の施策のタイミングを販促施策のタイミングに沿って調整することで、概ね正しいタイミングを設計することができます。

AIを利用したCRMの最新動向

AIを利用したCRMの最新動向は、企業の顧客関係管理に革命をもたらしている。AI技術の進化により、顧客データの分析、パーソナライズされたマーケティング戦略の策定、顧客対応の自動化などが可能になった。これにより、企業は顧客の行動や嗜好を深く理解し、個々のニーズに合わせたサービスを提供できるようになる。例えば、AIを用いたチャットボットや機械学習による予測分析は、顧客サービスの質を向上させ、効率化を図る上で重要な役割を果たしている。

また、AIの活用はCRMのセキュリティとデータ保護にも大きく貢献している。企業は高度な暗号化技術やデータ漏洩防止策を導入し、顧客データの安全を確保している。これにより、顧客の信頼を維持し、長期的な関係を築くための基盤を強化している。AI技術を活用したCRMは、今後も企業と顧客の間のコミュニケーションをより洗練されたものにしていくことが期待されています。

AIの進化とCRMへの導入事例

AIの進化はCRMに革新をもたらしている。多くの企業がAIを採用し、顧客データの分析、カスタマイズされたコミュニケーション戦略、効率的な顧客サービスを実現しているのです。例えば、AIによるビッグデータ分析を通じて、顧客の行動パターンを特定し、それに基づいたパーソナライズされたマーケティング戦略を展開している。また、自動応答システムやチャットボットを使用することで、顧客の問い合わせに迅速かつ効果的に対応できるようになっています。

AI活用によるCRMの自動化・効率化

AIの活用はCRMの自動化と効率化に大きく貢献しています。AIアルゴリズムを用いることで、顧客データの自動分析や、マーケティング活動の最適化が可能になり、時間とコストの節約につながっています。また、顧客の購買傾向を予測し、ターゲットを絞ったマーケティング施策を実行することで、より高いROI(投資収益率)を達成している企業も多い。これにより、企業はより効果的な顧客関係管理を行うことが可能になります。

AIとCRMの連携におけるセキュリティ・データ保護

AIとCRMの連携においては、セキュリティとデータ保護が重要な要素となる。顧客情報の保護とセキュリティリスクの管理は、企業にとって欠かせない課題です。このため、多くのCRMシステムでは、高度な暗号化技術、アクセス権限の厳格な管理、データ漏洩防止のための監視システムなどを導入しています。顧客データの安全を確保することで、顧客の信頼を維持し、長期的な関係構築に貢献している。また、規制遵守の観点からも、適切なデータ保護対策は不可欠です。

<考察>まとめ

今回はCRMを設計する際のタイミングについて説明しましたが、CRMは最初から正しい設計ができるものではありません。タイミングや情報の内容、販促のオファーなど少しの違いで大きくレスポンスに差が出ることでしょう。

一方的に顧客とコミュニケーションを行うだけでなく、顧客を知ることで少しづつ精度を上げていくことが、CRM設計を行う上で最善かつ、最短の進め方です。地道に自社の想定と実際の顧客行動のギャップを埋め続けることで必ず顧客のファン化は進み、LTVの向上に繋がります。

 

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