読まれやすいメルマガの書き方は?基本的なルールや例文を紹介

EC通販など、インターネットを介したビジネスを展開する企業において、メルマガを利用する割合が非常に多くなっています。とはいえ、「メルマガ配信をすることで一体どんな効果があるのか?」「本当に満足度の高い配信ができているのか?」という悩みや疑問を持つ方もいるでしょう。
そこで本記事では、メルマガの基本的な役割から、書き方のルール、例文を出して解説します。記事の後半では、読みたくなるメルマガ構成についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
INDEX
企業におけるメルマガの役割
そもそもメルマガには一体どんな役割があるのでしょうか?企業がメルマガを利用する理由は、大まかに3つに分けられます。
①企業のブランディング
➁情報伝達のため
③既存顧客の維持
それぞれ解説します。
①企業のブランディング
習慣的にメルマガを配信する場合、読者に会社のイメージを持ってもらうことができます。ただし、刷り込み効果として企業の名前が良くも悪くも認知されるため、配信内容には十分注意が必要です。
➁情報伝達のため
メルマガが情報を伝えることができる1つの媒体です。メルマガ配信希望を「可」としてくれた方に対しては、媒体として企業の情報やセール時のお知らせなどを配信することができます。
③既存顧客の維持
商品を購入したけど、その後一度も会社との接点がない場合、顧客は離れる可能性が高いです。そのため、メルマガで定期的な配信を行うことで、顧客との関係性を長く保つことができます。
メルマガを配信する場合、「既存顧客を維持して売上を伸ばしたい」と考える方は多いです。確かに売上を伸ばすという事は企業にとって大切ですし、メルマガの役割として間違いありません。
しかし、顧客にメルマガを読んでもらうためには、「顧客との良好な関係性」を築き上げることが大切になって来ます。「この企業は毎回有益な情報を届けてくれるな」「この企業からメールが来た時は、何か良いことがあるんだよな」と感じてもらう配信を心がけることが必要です。
良いメルマガと悪いメルマガの違い!例文もご紹介
単にメルマガと言っても、具体的にどのようなメルマガが良いとされるのでしょうか?過去のメルマガの事例を用いて、良いメルマガと悪いメルマガの違いについて解説します。
良いメルマガと悪いメルマガの違い
10年前、とあるアパレル企業が毎日3~4通メルマガを配信していました。メルマガ配信のタイミングは、下記になります。
朝:クーポン5%OFF
昼:クーポン8%OFF
夕方:クーポン10%OFF
夜:クーポン15%OFF
当時このメールの開封率は70%を越え、CVRも4%と非常に高水準な施策でありました。この場合、良いメルマガと言えます。しかし現代において、これと同じ施策を行っても成功する確率は低いと言えます。その理由は一体何なのでしょうか?
単純に「ユーザーの目が肥えた」のです。
皆様もこんな経験はありませんか?通販で商品購入した翌日に「ポイント○○倍!キャンペーン」というお知らせメールが。とても損した気持ちになりますよね。もし、あなたも同じく損した気持ちになるのであれば、やはりこれは悪いメルマガです。
つまり、良いメルマガと悪いメルマガの違いは、「お客様が必要としている情報を必要なタイミングで必要な量だけお伝えできているか?」という点です。クーポンを1日に複数回配るといったテクニックだけに頼ると、時代によって使えなく可能性があります。お客様が知りたい情報は何だろうと仮説立ててメルマガを考えることにそのゴールがありますので、常にお客様の立場になって内容を精査することが大切です。
良いメルマガは件名にこだわっている
尚、件名にはしっかりこだわる必要があります。というのも、端末やデバイス、表示方法によってタイトルが途中で切れた場合、内容を見ていただく前にメルマガを開いてもらえないことがあるからです。
下記は実際に配信されたメルマガの件名になります。今回は、この件名を例文として取り上げさせていただきます。
悪い例文:今話題の○○!!△△さまだけに特別割引○○%OFFでご提供します!
良い例文:特別○○%OFF!今話題の○○!!△△さまだけにご提供します!
悪い例文と良い例文の違いに気づきましたでしょうか?お客様に一番目にしていただきたいキャッチコピーは「○○%OFF」という部分です。それにも関わらず、悪い例文では「○○%OFF」が後半の部分に配置されているのです。これでは、開封する前にお得感を伝えることができませんよね。
この企業様は、件名を改善しただけで開封率が5%以上向上しました。
メルマガを書く際の基本的なルール
メルマガを配信する際は、普段のメールと違い意識すべきポイントが存在します。以下で説明する2つのポイントを最低限抑えるようにしましょう。
テキスト形式とHTML形式のどちらかを選ぶ
メルマガを配信する上で、テキスト形式とHTML形式の2つが存在します。
テキスト形式は、文字だけで構成されたシンプルな形式のことを指します。日常的に用いるメールもテキスト形式のことが多いです。飾り文字や段落、点線などをうまく使いこなすことで、視認性の良いメルマガを作成することができます。セキュリティなどではじかれることが無く、確実にお客様に届けることができますが、開封率やリンククリック数の計測ができないというデメリットも存在します。
対してHTML形式は、色や画像、動画などを組み合わせることができるため、視覚的に情報を伝えることができます。また、開封率やリンクのクリック数の計測が可能なため、現在では多くの企業がHTML形式を用いています。おそらく、あなたに届いている企業からのメルマガも、画像などを効果的に用い、視認性をUPしているはずです。
行間や改行
メルマガの内容ももちろん重要ですが、レイアウトを意識して見た目を良くすることも大切になります。改行は35文字~40文字程度を意識し、句読点を適所に入れましょう。
また、文字が塊のように見えると、文章を読み進めることが厳しく感じることがあります。4行に1度は余白をつけるなど、見やすい文章を心がけることが大切です。
読みたくなるメルマガの構成
構成によっても、メルマガの読みやすさに違いが出ます。今回は、お客様が読み進めたくなる構成の例を挙げますので、メルマガ配信に慣れていない方は、以下構成を参考にしてください。
①件名
メルマガにおいて一番重要とされるのが「件名」です。どれだけ価値のあるメルマガを書いたとしても、開封されなければ効果は発揮されません。お客さんに一番伝えたいことを、件名の前半に持ってくることはもちろん、以下の3つの点を意識することが大切です。
①メルマガ内容の具体的な内容が分かる言葉
➁興味関心を引く言葉
③メルマガを読むメリット
全てを1つの件名に含める必要はありませんが、これらを意識して盛り込むことで、開封率の向上を図ることができます。
➁ヘッダー
メルマガを開いた際に、一番最初に目に飛び込んでくる箇所です。メルマガのタイトルや会社名などを入れることが多く、毎回同じ形のヘッダーを利用することで、企業の印象付けを行うことができます。また。ヘッダーは以下のようなイメージです。
===============
○○○○お知らせメール
===============
またHTML形式をとっているメルマガでは、ヘッダーを画像にしている企業も見かける機会が多くなっています。
③リード文(冒頭文)
いきなり本題に入らずに、一言挨拶を入れると良いでしょう。季節の話などを合わせた挨拶や、今回のメルマガ内容に触れるという事が考えられます。ただしリード文を長くしすぎると、本文に届く前に離脱してしまう可能性があるため、コンパクトな文章にする必要があります。
④本文
サービスの紹介やセール時のお知らせなど、今回のメルマガで一番伝えたい内容を書きましょう。お伝えしたい内容が1つであれば問題ありませんが、商品を複数紹介する場合は、重要な内容を一番上に配置することが大切です。
あまりにも長すぎる文章は好まれないため、できるだけコンパクトに伝えたいことをまとめる必要があります。特に、テキスト形式の場合は、文字が詰まって見えてしまう可能性があるため、改行や記号などをうまく利用して視認性を高めましょう。
⑤フッター
記事の最後に配置される箇所で、企業の連絡先やホームページ、メルマガの配信停止方法を記載します。ヘッダーと同じように、企業の印象付けを行うためにも、毎回同じフッターを入れることをおすすめします。
また、メルマガの配信停止方法を組み込む理由ですが、「特定電子メール法」という法律で定められているためです。サービスや商品の情報を広告・宣伝する場合、商品ページへのリンクが貼られている場合は、記載必須となります。
ここだけは押さえたいメルマガの書き方
ここまでメルマガの基本的なルールや構成をお伝えしてきましたが、メルマガを書く上で、「これだけは押さえてほしい」というポイントが存在します。「見られるメルマガ」には以下7つの特徴があります。
①ターゲットによって配信時間や曜日を分ける
➁件名で重要な部分は必ず先頭に記載
③セールスだけでなく、ユーザーが好きそうなコンテンツを配信
④全員に一斉配信ではなく、しっかりセグメントして配信
⑤配信元のアドレスを明確化
⑥メルマガの内容は顧客属性によって文書を変更
⑦たまに送るのではなく必ず定期的に配信
それぞれ解説します。
①ターゲットによって配信時間や曜日を分ける
ターゲットによってPCで確認するかスマホで確認するなど違いがあるため、配信時間や曜日を分けます。ユーザーが10代~40代くらいの学生や社会人の場合は、ほとんどがスマホから確認すると考えられます。尚、場所は片手間で確認できるような電車の中が多く、時間は平日の朝・夕が有効です。
主婦層であれば、平日の12:00~15:00が有効で、おそらく一人の時間が取りやすいであろうこの時間に開封率が高くなる傾向にあります。全ターゲットに共通して金曜日の夜は開封率がガクッと下がる傾向にありますので、この時間帯に送っているようでしたら効果を見て避けていただくことをお勧めします。
➁件名で重要な部分は必ず先頭に記載
NGなメルマガOKなメルマガに記載しましたが、デバイスや、表示方法によってタイトルが途中で切れたりすることがあるからです。必ず先頭に一番アピールしたいワードをいれましょう。
③セールスだけでなく、ユーザーが好きそうなコンテンツを配信
メルマガの配信の度に、セールス情報ばかり目にすると、お客様は読む気が無くなってしまします。占い情報などお客様に飽きられないコンテンツを配信することも重要です。
④全員に一斉配信ではなく、しっかりセグメントして配信
毎回のメルマガを全員に配信すればコストがかかるだけでなく、企業への信頼度UPにも繋がります。セールスやポイント等の特典を付けるときは必ずセグメントをして直近に購入したお客様は省くなどした方が、企業の信頼感も上がります。
⑤配信元のアドレスを明確化
迷惑メールが多い中、誰からメールが来たかわからない場合、開封率も下がるだけでなく、企業への信頼度低下につながる可能性があります。お客様に良い印象を与えるためにも、必ず企業名もしくは、ショップ名を入れましょう。
⑥メルマガの内容は顧客属性によって文書を変更
例えば、○○様なのか、○○さまなのか、○○さんなのか。これだけでもユーザーとの距離が変わります。常にお客様目線で、どのような内容であれば興味を持ってもらえるのか考える必要があります。
⑦たまに送るのではなく必ず定期的に配信
メルマガを毎日配信するのか、週3回配信するのかを決めましょう。継続的に配信を行うことで、メルマガ作成の力が身につくだけでなく、お客様がメルマガを読む習慣をつけることができます。
業界のメルマガ開封率
メルマガの開封率の出し方ですが、(開封数÷有効配信数)×100(%)で出すことができます。KPIの指標が開封率、クリック率、CV率でとっている企業様もいらっしゃいますが、業界平均と、顧客属性ごとの開封率の平均を見ていきます。
メルマガ開封率の業界平均
メルマガ開封率は業界によって多少異なります。
アパレル(小物雑貨含む)ファッション関連:約21%
化粧品関連:約22%
健康食品(食品含む)関連:約24%
アパレルが21%と一番低くなっていることに対し、健康食品業界では、24%と3%多く開封されています。
顧客属性ごとのメルマガ開封率
また、業界の中でも顧客属性によってメルマガ開封率が異なります。
一般顧客の場合:約17%
優良顧客の場合:約25%
休眠顧客の場合:約5%
過去に商品やサービスの購入経験があるものの、今は放置された見込み客のことを休眠顧客と呼びます。休眠顧客の場合、メルマガ開封率が5%と低い数値になっているため、商品購入後に「もう一度購入したい」と思ってもらえるアプローチが大事だと分かります。
皆さまも目安としてご活用ください。
まとめ
ここまでメルマガの基本的なルール・書き方などを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?メルマガを配信したことが無い方は、難しく感じるかもしれませんが、ルールや書き方を理解することで、スムーズに作業に取り掛かれることができます。
また、メルマガにおいて重要なことは、「お客様が必要としている情報を必要なタイミングで必要な量だけお伝えできているか?」ということです。書き方やルールを覚えて上で、常にお客様目線を持つようにしましょう。
本記事が、今後メルマガを配信する際の参考になりましたら幸いです。
最新のEC・CRM事例やノウハウ、事業者対談セミナー・記事などマーケティングに役立つ情報をお届けします。