スペシャル対談 | DM0×E-Grant CRM支援企業が課題に感じる 施策改善のポイント【定期継続編】

2017/11/21
スペシャル対談 |DM0×E-Grant CRM支援企業が課題に感じる 施策改善のポイント【定期継続編】
スペシャル対談 |DM0×E-Grant CRM支援企業が課題に感じる 施策改善のポイント【定期継続編】
北川 健太郎
株式会社E-Grant        
COO 取締役
同社のセールス・マーケティング・PR・サポートなどの一連の事業を管掌し通販業界におけるCRM施策の発展・向上を牽引。
同時に通販企業向けに自社サービスである通販専用CRMツール「うちでのこづち」の活用に基づいたLTV向上・CRMマーケティング支援を行い、数千万~数百億円まで多数企業の支援実績を持つ。
2015年に「一般社団法人 日本通販CRM協会」を立ち上げ監事に就任。今後グローバル化が進む市場において日本式「おもてなしCRM」の普及活動を行う。
樋口 慎司氏
株式会社ダイレクトマーケティングゼロ
コンサルタントマネージャー
広告代理店勤務後、「よなよなエール」のヤッホーブルーイングにて自社EC立上・運営を行う。その後、売れるネット広告社にて東京オフィス長・コンサルティング部・メディア部部長としてアクイジション領域の支援を行う。現在は、DM0 コンサルティング部マネージャーとして、CRM領域のコンサルティングを行う。代理店での勤務経験を活かした新規獲得からCRM領域までの一貫した戦略策定を得意とする。LTV 40%UPや引上率 60%UPなど多くの実績を持つ。

 

定期継続は「仕組み」と「なかみ」で上げる

北川
今回の対談テーマは「定期継続」です(第一回はこちら)。CRMでは初回購入後、いかに継続して購買を続けてもらうかがポイントなので、前回のテーマであるF2転換と同じくらい多くの企業が定期継続で悩んでいますよね。弊社クライアントでも定期3回目にプレゼントを贈ったり、ポイントプログラムを作ったりして対策しています。DM0さんの場合はどんな対策を提案しているんですか?

樋口
DM0では定期継続を「仕組み」と「なかみ」という二軸に着目して改善策を提案しています。今、北川さんがおっしゃったようなプレゼントやポイントプログラムは定期継続における「仕組み」の話ですね。もちろん効果もあるし、導入もしやすいのでやれるならやった方が良いです。ただ、それだけですとお客様に続けてもらうには不十分なんですよね。定期継続に力をいれていらっしゃる企業さんでも「なかみ」まで考えた施策を行っているところはまだ珍しいです。

北川
確かに仕組みの話はよく聞きますが「なかみ」について話を聞くことはあまりないですね。具体的に「なかみ」というとどういうことなんでしょうか?

樋口
「なかみ」はまず「期待度」「活用度」「満足度」に分けて考えています。この継続の3要素はすべて「解約理由」にはね返ってきます。例えば「商品余り」なら「活用度」が低かったというわけです。一度入った定期を解約するには「理由」があって、その「解約理由」には「原因」があるということです。そこで、私たちが見ているデータは「回数別解約理由」です。

北川
全体の「解約理由割合」は見ているクライアントさんも多いかもしれないですが、なかなか「回数別解約理由」までデータとしてみている会社さんは少なそうですね。

樋口
そうなんですよ。さらに、「回数別解約理由」と「回数別継続率」を組み合わせて分析していくとお客様の気持ちの変遷が見えてきます。継続するということは解約されないということなので、解約されないように解約理由に対してお客さまの気持ちにより寄り添いながら解約原因を取り除いていく必要があります。そこで「なかみ」であげるという軸が重要になってくるわけです。

北川
なるほど。「なかみ」は「期待度」「活用度」「満足度」に分けられるということでしたが解約原因を取り除くのにその3つが必要になってくる、と。

樋口
そのとおりです。で、まず「期待度」を上げるために「継続して使用すると自分もこうなれる」というゴール像を用意してあげます。VOC(顧客の声「Voice of Customer」)で時系列に沿ってなるべく具体的に紹介するのがおすすめです。例えば、基礎化粧品なら「始めて1週間で肌のつやが良くなりました!」「1ヶ月するとシワが減ったような気がします!」「3か月後になると友人から肌がきれいになって若返ったってほめられた!」とか。

北川
VOCに自己投影させていくことで「自分ゴト化」するということですね。

樋口
「自分ゴト化」してもらうために、顧客がどういうことを期待して商品を買っているかという調査もグループインタビューなどで行ってみても良いと思いますね。
次に、「活用度」の上げ方ですが、お客様のなかでちゃんと購入した商品を使いこなしている、お金を払った分使い切っていると思える実感と実際に使い切った実績がどちらも大切です。

北川
買った後使わなかった商品を続けて買おうとは思わないですしね。

樋口
そうです。なので、お客様の中で“習慣化”される仕組みやきっかけを作ってあげます。例えば健康食品の場合はサプリをひとつ飲んだらシールやアプリで記録できるようにすることで可視化でき、使い切ったときの達成感も増します。お客様に「伴走」しているイメージですね。ときどき応援してあげたり、褒めてあげたり。紙やWEBだけじゃなくてコールセンターの活用もおすすめしています。

北川
SMSも活用できるかもしれませんね。状況は違いますが、商品の発送完了メールを送ってもメールが届いていないという顧客であっても、電話番号宛に送るSMSであればほぼ100%届きます。「商品が発送されたので、自宅にいてください」という内容のメッセージを配信することで返品率を防いでいるクライアント様がいます。ある企業様では携帯を用意して顧客に対して1通1通メッセージを送っているところもありますよ。(笑)

樋口
それ、本当ですか・・!?(笑)

北川
1日何百通とか送るのは大変ですが様々なテストした結果、一番良かったそうです。コンタクトセンターからも更にリマインドを行い、直接受け取るようお願いすることで顧客の満足度も上げつつ、返品率も2%以内に留めているそうです。

樋口
SMSもありかもしれませんね。話を戻しますが、「なかみ」で定期継続を上げる方法の最後の要素は「満足度」を上げることです。これが一番難しい。お客様はなんらかのニーズがあって商品を購入しているので「ニーズが満たされること」によって満足を得るわけです。だから満足度は当然「商品やサービス」によって満たされます。なので、現状と理想状態のギャップを「商品」によって埋めることが「満足度」を得るための基本になってきます。

北川
なるほど。そのギャップを埋めるためにはどうすれば良いのでしょうか。

樋口
「満足度」を上げるためのコミュニケーションは、「現状(商品使用後の状態)に対する評価を上げる」か、「理想状態を下げる」の2択です。後者は新規獲得時のコミュニケーションから、見直す必要があります。前者の場合は、自分自身では見逃してしまうような「小さな変化」に気づかせてあげることが大切です。

北川
まとめると、定期継続を上げるためには、「なかみ」のコミュニケーションをとることによってお客様が求める商品ニーズに商品が応えられて、商品を使用することによって理想の状態を目指せることをきちんと差し示してあげることが大切ということですね。

樋口
その通りです。他にも、最近行っている分析があって、各解約理由を日別で出してみるんです。そうすると面白くて、「じわじわと数が増えていく解約理由」と「ポンッといきなり数があがる解約理由」と結構分かれるんです。その結果を基に「期待度」「活用度」「満足度」をあげるために顧客のモチベーションに仮説を立て、習慣化してもらう為に必要なコミュニケーションを組み立てています。

北川
E-Grantでは、定期コースの商品の回数毎にどの理由で解約することが多いのかを把握してもらっています。解約理由で多いものを未然に防ぐコミュニケーションを継続中に訴求出来ていれば顧客の課題も解決されるので。まずはそこから始めていただくだけでも10%以上の施策の効果が期待できます。ですが、そうは言っても解約してしまう顧客はいるので、定期解約後の再フォローのコミュニケーションに次は目を向けてもらいます。ブランドの全回数のトータルでみると、10~15%程が解約後アクティブな顧客に戻ってくるので数としては売上のインパクトが出てきます。やっていることは細かいですが「うちでのこづち」であれば解約後の理由毎に自動でフォロー施策を行えるので、カートだと出来ない事に取り込んでいるEC通販企業さんが効果を出していると感じます。

樋口
確かにデジタルは細かいチューニングが出来るのが良いですよね。オフラインの場合、発注ロットの問題や、運用面の手間から細かく改善していくのはなかなか難しいです。

北川
デジタルの場合は、直ぐに改善が出来る点が魅力ですよね。

樋口
効果測定もオフラインに比べると検証しやすいですからね。

継続率が業界全体で落ちてきている

樋口
最近僕が少し気になっているのは、多くの通販企業さんで元々定期継続率90%以上を維持していたのに、近年5%ずつ程下がっている印象があるということですね。

北川
そうなんですか?

樋口
あくまで仮説ですが、昔よりも商品を選びやすく、似たような商品はすぐ検索すれば出てくる世の中になっているので、新規性や優位性が発揮できる場面が少なく、他社商品に乗り換える顧客が増えているのではと個人的に考えています。どこも初回半額や本品990円といった過激なオファーを出されているので、極端な話をすると順繰りに類似商品を買い回っているのが一番得な買い方になっている(笑)

北川
たしかにそうですね(笑)

樋口
今は新規獲得に力を入れても目移りしてしまうので、もっとこの会社で買う理由を伝え、商品を使うことを顧客の生活の中に埋め込むことでも、ある程度継続率は上がると思います。正解は無いですが、なにかしら今までのやり方から改善していかなくてはならない段階だと感じます。

〉スペシャル対談 vol.1 | DM0×E-Grant CRM支援企業が課題に感じる EC通販企業の社内体制とすぐに取り組める施策改善のポイント【F2転換編】はこちら

Leave A Comment