2018/11/13

定期通販における同梱物

通販というビジネスモデルにおいて、新規顧客の獲得と同じくらい大切なのが顧客育成、すなわちCRMになります。本項では他社の事例と併せてやるべき3つの施策について記述します。


【Contents】

・CRMを始める前に

・通販における同梱物の重要度とは

・他社の事例紹介(ステップ同梱)

・まとめ


CRMを始める前に

皆さんはCRMと聞くと具体的にどのようなイメージを持たれますか。ステップメール?ダイレクトメール(DM)?電話(アウトバウンド)? 一般的にはCRMの施策をイメージされる方が多いと思います。しかいCRMとは本来顧客との関係構築、すなわち通販企業における顧客とのコミュニケーション、接点をどう設計するかということになります。そのための手段としてメールやDMなどが用いられているだけで、本来のCRMとは顧客とどう接点を作り、そのようなコミュニケーションを行うかがとても大事になります。

本項では他社の施策事例に沿って説明しますが、まずは自社において顧客の方々とどのようなコミュニケーションを行うのか、ここをしっかりと定めた上で参考にして頂ければ幸いです。

通販における同梱物の重要度とは

早速ですがCRMおいて最も顧客にリーチできる手段は何だと思いますか?
答えは初回商品購入時の同梱物になります。同梱物とは商品をお送りされる際に一緒に同梱される挨拶状やカタログ、会社紹介の冊子、チラシや体験談などを指します。なぜ同梱物が、さらに初回同梱物が最も顧客にリーチできるかといいますと、初回購入時は最も商品に対する期待値が高く、自身が購入した商品について「知りたい」という欲求が強い傾向があるからです。他の施策ですと一般的にメールは開封率が30~40%、アウトバウンドではコンタクト率60~70%、DMに至っては開封率の計測はできません。そうした中、初回同梱物は商品を開けてまず目に入りますのでほとんど方にリーチすることが可能です。さらに「知りたい」欲求が高いこのタイミングでどのような情報を伝えるか、すなわち会社としてどのようなコミュニケーションを行うかで、その後の商品理解度や会社へのロイヤルティに大きな差が生まれます。結果として次回のリピート率、ひいてはLTV(顧客生涯価値)が大きく変わります。

一般的に初回同梱物に入れられているものは「挨拶状」「商品カタログ」「愛用者の声」「引き上げチラシ」「会社紹介(ブランドブック)」の5点になります。これは初回の購入商品や定期コースor都度購入なので変わりますが、一般的には上記5点が基本セットになります。

それぞれの目的を整理すると、
①「挨拶状」…購入の御礼や作り手の思いなど企業姿勢を伝える
②「商品カタログ」…自社の商品紹介。アップセルやクロスセルに繋げる足掛かり
③「愛用者の声」…共感性の高い愛用者のリアルなコメントで顧客に未来の姿を想像させることで期待値を高める
④「会社紹介(ブランドブック)」…商品のこだわりや開発ストーリーなど会社の信頼醸成
⑤「引き上げチラシ」…よりお得な定期コースやクロスセルの案内による販売促進

このように入れるもの一つ一つに重要な目的があります。初回同梱物ではこのタイミングで顧客に会社の何を伝えたいか、顧客はどういう情報を知りたいか、想像した上で会社に合った同梱物を入れることが大切です。

他社の事例紹介(ステップ同梱)

今回紹介する他社でうまくいった事例ですが、化粧品の定期通販の会社で行われた実際の事例です。
こちらの会社は全ての顧客は定期コースで獲得されていましたが、本来効果を実感できる5回目迄の継続率が低く、継続率を上げるために1回目から5回目まで毎回違う同梱物を入れることで、継続する意味を啓蒙することにしました。まず1ヵ月目から5ヵ月目まで「基礎作り期」「肌変化期」「肌安定期」などそれぞれのフェーズを作り、フェーズに合わせてコミュニケーションを図りました。
回数毎の具体的なコンテンツは下記になります。

1回目:肌の基本知識、体験談(使用して1ヵ月の愛用者)、実感度アンケート
2回目:悩み解決Q&A、体験談(使用して2ヵ月の愛用者)、続ける目的
3回目:使い方の再啓蒙、肌の変化(効果実感ポイント)、体験談(使用して3ヶ月目の愛用者)
4回目:体験談(使用して4か月の愛用者)、肌に悪いNG習慣
5回目:今までにおさらいと使い続ける意味の再啓蒙

このように使い続けている顧客心理に合わせて毎回コミュニケーションを変化させました。結果は実施から1年後には継続率は20%改善、年間LTVも2,500円UPしました。2,500円と聞くとインパクト小さく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、新規顧客が10,000人いれば2500万円の売上増、新規顧客が50,000人いれば1億2500万円のインパクトになります。売上のインパクトもありますが、LTVが大きく伸びたということはそれだけ商品を長く愛用してくれる顧客が増えたということがいえます。DMやアウトバウンド、メールなども大事ですが、同梱物を変えるだけでこれだけ愛用者になっていただける可能性があるということです。

まとめ

今回は同梱物の事例を紹介しましたが、CRMとは会社から一方的に情報を与えるわけではなく、顧客が一番欲しい情報を、欲しいタイミングで提供することにつきます。人間関係も片方の一方的なコミュニケーションではよい関係は構築できません。通販企業と顧客の関係性も同じことが言えます。顔が見えないからこそ、自社の顧客の心理を想像し、最も欲しい情報をしっかりと届ける。人間関係では当たりまえの相手を思いやったコミュニケーションこそが通販CRMにおけるもっとも重要なポイントになります。

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