2018/07/03

販売戦略

アメリカの心理学者マズローが提唱した「欲求5段階説」に基づき、EC通販における販売戦略を考える。商品の販売から、お客様との関係構築に至るまで、人間の欲求を5段階に分け、それぞれの欲求を満たすための販売戦略の基本的な考え方を説明していきます。EC通販を始めたけれど、何をしたらよいのか分からない方におすすめです。


【Contents】

・マズローの欲求5段階とは?

・各階層で考えるべき販売戦略

・まとめ

「EC通販を始めたけれど、何をしたらよいのか分からない!」
「いろいろとやっているけれど、売上がなかなか上がらない!」

そんなEC通販ご担当者の方へ、販売戦略の基本的な考え方を「マズローの欲求5段階説」をもとにご説明させていただきます。


マズローの欲求5段階とは?

皆さんは「マズローの欲求5段階説」という理論は耳にしたことがありますでしょうか?

半世紀以上も前の1943年に、アメリカの心理学者エイブラハム・マズローが提唱した「人間の欲求を5段階の階層で表した理論」のことです。

人間の欲求は5段構造のピラミッドのようになっており、下の階層の欲求が満たされるごとに、1階層上の欲求を求めるようになるというものです。
具体的な構造は、以下の通り。(上から順番に)

第5階層:自己実現の欲求 - こういう自分でありたい
第4階層:承認の欲求 - 認めてほしい、褒めてほしい
第3階層:所属の欲求 - 仲間が欲しい、集団に属したい
第2階層:安全の欲求 - 安全に暮らしたい
第1階層:生理的欲求 - 食べたい・寝たい

この5段構造、ご覧いただけるとお分かりになると思いますが、大きく2つの種類に分けることができます。1つは「物理的欲求」、もう1つは「精神的欲求」です。

物理的欲求:モノを所有、または使用することで満たされるもの。
→第1階層「生理的欲求」、第2階層「安全の欲求」が該当。

精神的欲求:モノで満たされることはなく、普段の生活のなかで社会との関わり合いによって精神的に満たされるもの。
→第3階層「所属の欲求」~第5階層「自己実現の欲求」が該当。

いかがでしょうか?ポイントはご理解いただけましたでしょうか?
次に、このそれぞれの欲求の詳しい説明と、販売戦略においてどのようなアクションを取るべきかをご説明させていただきます。

各階層で考えるべき販売戦略

第1階層:生理的欲求

人間が生きていくための本能的な欲求。人間の三大欲求とされる「睡眠欲・食欲・性欲(排泄欲)」などです。睡眠不足や食生活が満足できていないと、人間の機能として、いろんな障害が生まれます。根本的な欲求であり、非常に強い欲求です。

<販売戦略例>

広告文やLPのファーストビューを使用。
人間の一番根本的な欲求になりますので、強いメッセージで訴える必要があります。伝える場所は、お客様と商品とのファーストコンタクトが生まれるところ。広告文やバナー、LPの中でも一番PVの多いファーストビューがそれにあたります。

「広告文などをクリックして、LPに飛んできてもらえるか?」
「LPを読み進めて商品に興味を持っていただけるか?」
すべてはここに懸かっています。販売している商品が、お客様のどんな欲求を満たすものなのかを徹底的に追求し、ABテストを繰り返し実施してください。

第2階層:安全欲求

その名の通り、安全・安心な暮らしがしたい欲求。生理的欲求がある程度満たされると、次は自分の生命の安全を求めるようになります。生活の基本的な要件を表した「衣・食・住」で言うと、「衣・住」の部分です。また、環境や健康面も含まれます。

<販売戦略例>

EC通販でいうと、LPのメインパート。
商品のこだわり、使用している原料の希少性などはもちろん、その安全性まで説明している販売サイトは数多く存在します。もう1歩です!物理的欲求なので、そのモノを所有、使用することで、自分が暮らしている毎日の生活の質、その先に待っている満たされた生活を想像させるようなコンテンツを用意してください。。

第3階層:所属の欲求

集団に属したい、仲間が欲しいという欲求。自分の生活における安全が確保されると、自己を表現するフェーズへと移ります。「自分とはいったい何者?」というアイデンティティ形成のため、他人とつながろうとします。孤独や、仲間外れにされると不安を感じるのはこのためです。

<販売戦略例>

LPとCRM施策の充実。
LPであれば、たくさんの人が同じものを買っているという安心感を与えるためにも、お客様の声を充実させてください。また、累計販売数量を記載することも有効です。

CRM施策は、孤独を感じさせない、仲間であるという意識を失わせないために必須の戦略です。それぞれのニーズに合わせてセグメントされたお客様に、定期的なステップメールを配信することで、お店とも他のお客様ともつながっているという欲求を満たすことができます。会員ランク制度も有効です。

第4階層:承認の欲求

他人から認められたい、尊敬されたいという欲求。人間は他人とつながると、その中でも自分の存在を個人として認められたい、尊敬されたいという欲求が生まれます。
例えば、地位や名誉、他人からの注目、褒められたいといった欲求です。この欲求が満たされないと、劣等感や無力感に苛まれることもあります。また、この承認の欲求には、「自分で自分を承認すること(=自信を得る)」も含まれています。

<販売戦略例>

第3階層の「所属の欲求」と同様、CRM施策の充実。
例えば単品リピート通販。お客様は継続していく中で「本当にこの商品、効いているだろうか?」、「もしかして他の商品の方が良いのでは?」と迷われる時期が必ずやってきます。ステップメール内に「あなたは間違っていませんよ」というメッセージを入れてみてください。

SNSやファンサイトなどを作成し、お店とお客様、またお客様同士が交流する場を作ることも非常に有効です。お客様参加型のイベントを実施することができれば、「所属の欲求」「承認の欲求」を同時に満たすことができます

第5階層:自己実現の欲求

自分にしかないできない事を見つけたい、自分の限界に挑戦してみたいという欲求。4つすべての欲求がある程度満たされると、「あるべき自分になりたい」という欲求が生まれます。この「自己実現の欲求」には、無償性も含まれており「社会や他人に貢献したい」という欲求も生まれてきます。

<販売戦略例>

この段階までくるお客様は、お店に対するロイヤリティが非常に高くなっています。ですので、切り口を変えて、会社としてどのような社会貢献を行っているのかを積極的にアピールしてみてください。例えば、「商品購入代金の1%を●●へ寄付しております」というメッセージをCRM戦略に盛り込むことが有効です。

また、自己実現の欲求を求める人は、自己投資も惜しみません。シリーズ商品であれば他商品、松竹梅理論であれば「松」商品のクロスセルもおすすめです。

まとめ

マズローの欲求5段階説を、EC通販における販売戦略をファーストコンタクトから順を追ってまとめると、下記のようになります。

第1階層:生理的欲求

広告文やLPのファーストビューは強いメッセージを使用し、徹底したABテスト実施

第2階層:安全の欲求

LPメインパートで、少し先の未来を想像させるコンテンツを充実

第3階層:所属の欲求

LPならお客様の声と、累計販売数の掲載
CRMとしてステップメールの配信と、会員ランク制度の整備

第4階層:承認の欲求

SNSサイトを通じ、お店とお客様の交流の場を設ける

第5階層:自己実現の欲求

社会貢献のメッセージ配信と、クロスセル

いかがでしたでしょうか?

EC通販において、どれも基本的な販売戦略ではありますが、人間の欲求という視点に立って考えることで、現在行っている施策の裏付けや、新たな施策実施に向けたヒントになるのではないでしょうか。

「売上を上げるために何をやったら良いのかわからなくなった!」という時、一度立ち止まって考えていただく一助になれば幸いです。

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