顧客属性分析の活用について
商材ごとの顧客属性を捉え、ニーズや買い回りの周知・特徴など知ることによって、新規・既存顧客問わずLTVを最大化させることができます。顧客情報を取得してどんな活用が出来るのか、具体的な事例を交えお話しします。
【Contents】
顧客属性とは
顧客属性とは、顧客が持つ性別や年齢、住所等の個人情報を分類したものです。
例えば自社のこの商品を購入している顧客は、女性が7割で年代は40代が50%でその内20%が特定の媒体を入口として購入している、などといった情報が顧客属性として分類したものです。
CRMにおける顧客属性の重要性
EC通販において顧客属性の取得方法は、主に会員登録や購入時のフォーム入力、アンケートの記入などです。
広告を打つ場合、その広告で購入した顧客は、どういった属性の顧客が多いのか、しっかり分析することでより効果的な施策を行う事ができるようになります。
販売数1000個のうち、30代女性の購入が7割、そのうちリスティングからの流入が5割と分かっている場合と、販売数1000個が売れた、ということしか分からない場合とではその後の施策や対策の質にも影響が出ます。
また、年齢や住所によってLTVや買い回りのタイミングが異なるというのはよくあることで、それに合わせてどのようの施策を行うのかを考えていきます。
より詳しい顧客属性を取るためには会員登録などでの入力フォームの項目を増やすこともできますが、必須事項を増やしすぎると入力前や途中での離脱が起こりやすくなります。目的を絞り、必要な情報を確実に得ることがポイントです。
では、実際に顧客属性が得られたことによって可能となった施策事例を紹介します。
顧客属性を利用した施策例
1. A社 健康系サプリ販売
A社はターゲットを20代男性向けと想定してサプリメントの商品設計をおこないましたが、実際にサンプルを購入したのは30代後半の男性がメインでした。
そのため20代の新社会人向けから、30代後半の仕事にも慣れてそれに伴う悩みを解消するための商品と位置づけを変え、サンプルから定期への引き上げのためのメール内容も変更しました。
属性と商品がマッチしたことで、サンプルから定期への引き上げ率が135%改善されました。
2.B社 児童向けアパレル販売
子供服の購買者は主に親または、プレゼント用に買う大人の方が対象となります。
単純に顧客属性を使用した分析をしてしまうと親など大人の属性を取るに留まってしまいました。
そのため、会員登録する際にお子様の性別と生年月日を入力する欄を追加し、バースデーメールにクーポンを付けるなど、明確なメリットをつけて記載率を上げていきました。
その後、子供の年齢や性別でメールの内容を変更し、購入する親の属性から開封や注文が多くなりやすい時間を特定し、メールを配信しました。
顧客が読む可能性が高いタイミングで、欲しいと思われる内容を送りコンバージョンを上げていきました。
3.C社 実店舗とEC店舗経営
実店舗を複数経営していたC社はEC店舗を始めた際に、実店舗で行っていたメールやダイレクトメールをそのまま利用しましたが、リピーターへの転換率などの目標を達成をすることが出来ませんでした。
そこで実店舗の顧客属性とEC店舗の顧客属性を比較したところ、年齢も住所も異なる属性となっていました。
特に広告からの顧客は、購入をしてみたいと思っていたが、実店舗が近くにないので購入出来なかった層が中心で、実店舗の顧客属性とは全く異なる住所や年齢となっていました。
そこで、分析を1からやり直し、EC店舗での顧客属性をみていきました。
この商品を購入した顧客は次にどのような商品を購入したのか、その商品は何日後の何時に購入されやすいのか、ということを分析し直すことで同じ商品でも属性が違う顧客に対して異なるフォローをすることができるようになりました。
顧客属性のこれから
現在、顧客属性は「名前」「住所」「年齢」「性別」などの取得がメインとなっていますが、今後は更に深い部分の顧客情報を取得し分析することが大切になります。
例えば、顧客の趣味や好きな音楽等は直接商品と関係が無さそうですが、集計し分析することで顧客はどのような趣味を持っていて、普段はどのアーティストの曲を聞くということが分かってくるため、よりリアルなペルソナを設計することができます。ペルソナの精度が上がれば、メールに顧客が好む情報を盛り込み、コミュニケーションを取ることで親近感を強めることができます。
このように一見関係の無い顧客情報でも視点を広げていくことで、重要な情報になります。
顧客属性の分析をもとに顧客との良質なコミュニケーションを図り、良い関係を続けていくことが大切です。
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