2017/09/06

顧客リレーション


【Contents】

■顧客リレーションシップの本質とは

■離反可能性顧客の特定と傾向を理解する

■最後に


顧客リレーションシップの本質とは

CRM(Customer Relationship Management)という概念における「リレーションシップ」とは、日本語では「関係」という意味を持ちます。ここからは自社と顧客の関係という意味が読み取れますが、企業や個人によって捉え方が違い、抽象的な概念に終始しがちな言葉です。
今回はリレーションシップを「顧客とのコミュニケーション接点」と捉えお話しいたします。
その多くは、企業の販促企画(キャンペーン)や販促施策(メルマガ等)を通じて行われ、その接点がもたらした結果が顧客情報として企業に蓄積されていきます。

そしてこの顧客情報は、「顧客から事業者」及び「事業者から顧客」への接点に分けられます。前者の典型例は購買履歴になり、それ以外はコールセンターへの問い合わせ、事業者のWebサイトへのアクセスなどが該当します。一方、後者の典型例は、販促企画による接点になり、事業者から顧客への提案単位になります。そしてこの提案に対して自社はコストを費やし、顧客が提案を受け入れれば収入が生まれます。費やしたコストと発生した収入の差分が事業者の利益となります。

消費者は何らかのきっかけで事業者と取引を開始します。その後顧客となり事業者との関係が始まり、そしていずれは関係が終了します。
事業者はなるべく多くの価値を顧客に提供することで、その対価として収入を最大化したいと考えています。

そのベクトルは、3つの方向に大別されます。

1つめは、関係の「構築」になります。

今まで関係がなかった顧客と良好な関係を作ることです。
マスマーケティングを通じてコンタクトをとってきた顧客に対し、「なるべく早く」アプローチし、取引を開始することが重要です。

2つめは関係の「維持」です。

既に自社商材の購入をされた識別可能な顧客に対して、「なるべく長く」取引を継続することです。

3つめは関係の「強化」です。

「なるべく多く」取引いただけるよう提案を繰り返し、顧客からの信頼と期待度を高め、一定期間内における収益を最大化することになります。

企業が賢いCRMを実現するための原則は、この3つに集約されます。ただし、1人の顧客を対象とするだけならシンプルなこの原則ですが、数万、数十万の顧客を対象にすると、社内のリソースなどの問題から実現が難しくなります。その為、マーケティング担当者はテクノロジー、具体的にはデータウェアハウスにデータを蓄積し、顧客分析とキャンペーン管理のソフトウェアを利用して3つの原則を実現することが有用です。

今回はこの3原則に対して忠実に分析(顧客理解)とキャンペーン(顧客アプローチ)を実施する方法を解説します。その為のテクノロジーは市場にいくつか存在しますが、本稿では顧客分析からリピート販促企画まで実行できる「うちでのこづち」を利用して説明していきます。

離反可能性顧客の特定と傾向を理解する

「顧客維持」に相対する概念や状態を指すのが「顧客離反」になります。
業態によって脱会、解約、休眠といった言葉が用いられ、いずれも自社との関係が消失する、もしくは希薄になる状態を指します。顧客の維持には、顧客離反の阻止が不可欠であり、その兆候を早めに察知することが重要な課題となります。
CRMが顧客との関係を管理することであれば、その関係を損なうことは最も憂慮される事態であり、離反阻止は優先順位の高い取り組みといえます。

こうした課題に対処するためには、分析を通じて誰が離反しそうなのか、そしてその顧客に共通の傾向は何かを特定する必要があります。
その為の分析例として、EC通販で多く用いられている定期コースを例に顧客の傾向理解を考えてみます。

定期コースをお持ちの場合に分析する際はまず、離反していない通常顧客と、既に離反してしまった顧客のデータの両方が必要になります。
その数値の推移をみることで、離脱率が特に増える回数を洗い出すことができ、離脱しやすいことを見越した上で、対象の期間に離脱防止のコミュニケーションを図ることができます。更に細かく分析する際は、初回購入時の流入媒体や初回購入商品を条件に付与していきます。

こうして商品や流入経路ごとに顧客が離脱しやすいタイミングを把握した上でコミュニケーションを設計することで、顧客関係をより強固に構築でき、長く取引をしてもらう、すなわち安定した売上基盤を構築することができるようになります。

続いて、2回目以降のリピート購入において適切な商品の販促とタイミングについて導きます。2回目以降の顧客の購入商品を分析することで、どの商品が買われやすいか、実際に行っている販促が効果的に作用しているのか、このような点を観測します。また初回購入商品毎に分析することで、商品毎の親和性を図ることにもつながり、思いもよらない組み合わせが有効だと判明することもあります。

企業は、固定観念として購入商品にストーリーを結び付けて考えやすい傾向がありますが、顧客の購買行動を分析すると思わぬ商品が同時に購入されているといったケースが多々見られます。このように固定観念で販促を行わず、自社の顧客の状況を現実として捉えることが顧客リレーションの第一歩と言えます。

最後に

このようにタイミングや顧客志向性を分析し理解することは、他社との違いを生み出すかどうかの大きな分かれ目になります。離脱の兆候が見られるタイミングは顧客ごとに異なり、それを検知したらすぐにアプローチに結び付けなければなりません。その為には、顧客変化を包括的に捉える仕組みが必要となってきます。PDCAサイクルを高速で回していく中で、企業特有のサービスの「色」が生まれ、それがブランディングに繋がっていきます。
そして、そのコミュニケーションの中で他にはない差別化された顧客リレーション構築が可能になっていきます。

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