2017/10/06
LTV


【Contents】

■CPA/CPOではなく「LTV」基準でなぜ計測する必要があるのか?

■LTVを最大化する前にまずは把握するべき5つのポイント

■活用すべきデータと業種毎にみるLTVのあげ方


CPA/CPOではなく「LTV」基準でなぜ計測する必要があるのか?

「LTV」という指標は、通販企業の中でも健康食品や化粧品といった単品リピート商材を扱う企業にとっては馴染み深くなりつつありますが、まだまだ普及しきれていない指標です。ですが、アパレル・雑貨等の総合通販企業においても、このLTV基準で運用する必要性が年々増してきています。理由としては、現状のEC通販で成長している企業の共通点として「LTV基準で見ているかどうか」がカギとなっているからです。今回は売上を拡大していきたい通販企業は必ず見るべき「LTV」についてお話します。

まずLTVの意味ですが、これは「Life Time Value」の略であり、「顧客の生涯においての価値」を意味しています。
顧客の生涯といっても、この指標を見る場合は、主に1年間、アパレル等ではシーズンごと(3か月等)に区切って計測するパターンが多いです。
例えば、LTVを年間で見る企業であれば以下のように計測出来ます。
2,000円の商品を年間で5回購入した顧客がいる場合、その顧客のLTVは10,000円となり、同じ顧客が10,000人いた場合の全体のLTVは100,000,000円(1億円)となります。
初回の購入時のみのインパクトだけではなく、このように継続して購買をしてくれる顧客の行動も評価して計測する事が出来ます

広告を出稿し新規顧客を獲得していても、実際にCPA(新規顧客獲得1件に掛かったコスト)を抑えても売り上げが上がっていないという企業がいます。そのような場合は、LTVが低い顧客(リピートして購買するモチベーションをそもそも持ち合わせていない顧客)を獲得していると考えられます。
つまり、継続して購買してくれる広告を把握し、その広告に費用を投下すればLTVが高い可能性のある顧客を獲得することが出来ます。
また新規集客の面だけでなく、既存顧客向けの施策もLTV基準で精査することで、顧客育成出来ているか判断することが出来ます。例えば送ったメールによってLTVが上昇する程、顧客のモチベーションに即した施策を行えたと考えられます。CV数(又はCV率)では計れないクロスセルやアップセルのセールス以外のメールを配信する際も、LTVで判断すれば直接売り上げを作らないメールであっても、顧客育成に貢献したメールと判断することが可能となります。
その為EC通販を営む上で、LTVで計測することがとても重要になります。

LTVを最大化する前にまずは把握するべき5つのポイント

LTVを最大化させる前に、まずはこの5つのポイントを把握する必要があります。

① 獲得コスト

② 維持コスト

③ 平均購入単価

④ 購入頻度

⑤ 継続期間

「獲得コスト」「維持コスト」は下げ、「平均購入単価」「購入頻度」「継続期間」は上げることが最も理想的ではありますが、暗に獲得コストや商品の原価を下げようとしても、流入数が減り、月の売上を担保することが難しく、顧客ニーズに合わず破綻してしまいがちですので、バランスを見て見直していく必要があります。
また、①~⑤までを部分的に改善しただけでは成功する訳ではなく、総合的に見直さないといけません。
例えば、5,000円の商品を10,000円の広告費をかけて獲得することは、一見すると非効率的に見えますが、購入頻度が2回以上見込めているのであれば長期的に見たときに利益が生まれます。このように獲得コストが上がってしまったとしても、平均購入単価や購入頻度を引き上げることで担保するような戦略が組めているのであれば、LTV向上の取り組みを効率的に行う事が出来ます。

活用すべきデータと業種毎にみるLTVのあげ方

LTVのあげ方については、購買サイクルが違う業種ごとにお話しいたします。
まずは、定期通販についてです。
定期通販の主である単品リピート商材は「ニーズ商品」と呼ばれ、課題解決の為に購買されます。消耗品を取り扱うことでまた同じ商品をリピート購入し、使い続けてもらう為一定期間に何回買ってもらうのかがポイントとなります。
定期を持っていなくてもどれくらい顧客に買い回りをしてもらえるか予測し、1年単位で事業予測を立てても、実際にその目標通りに各商品が転換されているのか細かく把握している企業は商品点数が増える程少なくなっていきます。
転換するサイクルを把握し、顧客の買いまわりのスピードを早めてあげることで、目標に向けて戦略立てることが出来ます。顧客の転換を早めるフォローが出来ていないと新商品を多くリリースし新規顧客向けに展開しても利益を出すことは難しくなっていきます。

5,000円のAという商品を1か月分(30日分)のパッケージで定期商材としてリリースしたとします。正しく30日で転換している傾向があった場合、この月に流入した顧客は年間平均12回回転する為60,000円ですが、このA商品の転換のサイクルが40日だった場合、年間の購入回数は9回に留まってしまい、年間のLTVは45,000円となります。同じ傾向の顧客が1,000人おり、サイクルを本来のタイミングに戻すことができた場合、年間LTVは(60,000円-45,000円)×1,000人=15,000,000円となり、大きな損失を防ぐことが出来ます。このように、平均の転換日数と回数を把握し年間LTVを算出して見ていくと、ボトルネックになっているポイントを発見することが出来ます

次に都度買いについてです。アパレル・雑貨等の商材に多いですが、消耗品でない限り1商品がリピートされることはなく、いわゆる「ウォンツ商材」と呼ばれます。
このような商材を通販で展開する上で、いかに一回の購入単価を増やせるかがLTVを伸ばしていくポイントとなります。そこで見るべきデータとしては、併売商品の傾向です。「A商品」もしくは「Aカテゴリの商品」と一緒に買われやすい商品やカテゴリを把握することで、顧客へのアプローチを最適化することができます
アプローチを最適化することにより、1顧客当たりの単価を増やし、購入回数を引き上げる施策を行うことができれば、年間でのLTVを最大化させることができます。
シーズンごとに商品が入れ替わる為、計測期間を絞ってLTVを把握し、より優良顧客が生まれやすい商品やカテゴリを見出すことで、傾向値を戦略に反映させていくことが出来ます。

LTV基準でEC通販を取り込む事で、どんな業種・事業形態であっても取り組んでいる施策が、本当に今後にとっても意味あるものなのか選別することが出来ます。今後は更に新規顧客の獲得率が鈍化していくことが想定される昨今では、LTVでの判断は必ず必要になります。

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